10日、都内のホテルで行なわれたホンダF1の開幕直前記者会見で、イギリスの投資グループであるマグマ・グループがスーパーアグリF1チームの新たなチームのパートナーとしてチームを取得すると発表した。
会見では、鈴木亜久里代表が今季の参戦確定について、「永らくこういう話をする場がなくて、この冬の間、チームのため、ドライバーのためにどういう形で2008年参戦していくか、というのを努力して、今日、こういう形で皆さんの前でお話しすることができるようになりました。基本的にスーパーアグリF1チームとして2008年を戦うという前提で、色々なインベスター、スポンサーと話をしてきて、イギリスのマグマ・グループというところと契約に関して基本的な合意ができました」と挨拶。
かつてフォードやマツダで社長を務めたマーティン・リーチ氏が代表を務めるとされるマグマ・グループは、今回チームを“取得”したとされているが、会見で鈴木亜久里スーパーアグリF1チーム代表は「基本的にはスーパーアグリF1チームと言うことで参戦しますし、基本コンセプトは変わってはいかないと思います」とあくまでスーパーアグリF1として今季参戦すると強調した。
また、マグマ・グループとのパートナー契約はまだ「基本的なところでの合意」が結ばれたに過ぎず、詳細は追って発表するとのこと。スポンサーやマシンカラーリングなどについては、現段階で話をできる内容ではないとのことだ。これについては出席していたエー・カンパニーの秋田史代表も「マシンのカラーリングは俺も知らない。2月の時に発表しようとしたカラーリングはあったけど」とのことで、まだまだ調整中のようだ。
チーム体制については「今までのチーム体制は変わらない」とのことで、この日も姿を見せていたダニエル・オーデットマネージングディレクター以下、リーフィールドのスタッフは変わらず。ホンダからのサポートも「マグマ・グループそしてスーパーアグリ、ホンダと3者で合意に至った」とのことで、これまで同様継続される予定。ドライバーも佐藤琢磨、アンソニー・デイビッドソンのふたりという体制は変わらない。
この日、新しいシャツに身を包んだ佐藤琢磨は「今日、この場でスーパーアグリF1チームとして参戦の発表ができたことを嬉しく思います。過去2年、苦しい状況を打開してきたチームですので、オフの準備不足もありますが、新しいサポートを受けて、新しく生まれ変わるチームとともに頑張っていきたいと思います」と意気込みを語った。
マシンに関しては、オフシーズンの間テストで使用したSA07-05Bを使用する。そこに今季仕様のリヤエンドを組み合わせたものを開幕戦に投入する予定。
「準備不足なので好パフォーマンスを望むのは現実的ではない。厳しい戦いにはなるとは思います」と琢磨。
「06年のように、常に伸びていくシーズンにしたいな、と考えています」とまずは参戦に向け体制が整ったことにひと安心のようだ。
オフの間ファンをやきもきさせたスーパーアグリF1チームの去就だが、まずは新たなパートナーを得て参戦継続が決まったことはファンにも朗報だろう。今後、新パートナーのもとチームがどのように変貌していくのかが注目される。