ジェンソン・バトンが、メルボルンでの開幕戦前の最後となるテストを終え、ホンダチームはライバルとのギャップを縮めたことを確信しているが、開幕から数レースは、あまりエキサイティングな見通しは立てられないと語った。
ホンダがヘレスで3日間に渡るプライベートテストを行い、開幕戦前の準備を完了した後、バトンはRA108の空力パーツとメカニカルパーツをアップグレードしたため、競争力がアップしたが、彼とルーベンス・バリチェロが突然グリッド中盤で戦うようになるかもしれないと期待を抱くファンに対し、慎重に考えるよう促した。
「最後のテストはうまくいった。マシンに搭載した新しい開発パーツを評価するのにとても有益だった」とバトン。
「レースの週末に向けた準備として、ロングランに何度か取り組んだ。パフォーマンスの面で前進できたので喜んでいる。とはいえ、序盤の数レースに対しては現実的な見方をしており、まだ先の道のりが長いことは分かっている」
エンジニアのスティーブ・クラークは次のように述べた。
「テストコンディションは、とても強い突風が吹くチャレンジングなものだった。しかし、前進できて喜んでいる。メルボルン仕様のRA108を走らせたが、1周の速さだけでなく、ロングランでも素晴らしい進歩を遂げていることは明らかだ。事実上、ウイングとボディワークコンポーネントの全てのものが、最初のものからアップデートされている。来週末のオーストラリアのレースで、このパッケージがどのように本領を発揮するのか、楽しみにしている」
バリチェロと新テストドライバーのアレックス・ブルツはともに、ヘレスでバトンに合流し、オーストラリア、マレーシア、バーレーンの開幕3戦に向けた最後の調整のため、2日間に渡ってRA108を駆り、予選、レーススタート、レースといった流れに沿って、新しいパーツの評価テストを行った。
冬の間にウイリアムズから移籍してきたブルツは次のように語った。
「僕らにとって今回のテストはいいエクササイズになった。新しくアップグレードした空力パーツのおかげで、新しいセットアップを試すことができるようになり、これまで以上にタイヤをうまく使うことができるようになる。2度のレースシミュレーションをノートラブルで終えられたし、シーズン開幕戦に向けていい準備ができたと思っている。この先数レースで、マシンの開発を続けていくことを楽しみにしている」
今年のF1グリッドの中で、一番のベテランラインナップとなる3人のドライバーは、3日間で603ラップ、距離にして2670km強を走り込んだ。バリチェロは、他のチームは先週、開発テストを終えたので、メルボルンでの戦いを控え、ホンダがどの位置にいるのか、正確に知るのは難しいと述べた。
「今週は最初のスペックと新しい空力パッケージを搭載したマシンをドライブした。パフォーマンスの比較が直接可能な、とても有益なテストだった」とバリチェロ。
「今日は新しい開発パーツを搭載してたくさん走り込んだが、新しいパーツはとてもよかった。プライベートなテストだったので、ライバルと比較してどれぐらいの位置に自分たちがいるのか、知るのは難しいが、正しい方向に進んでいることは間違いない。マシンを進化させることができたので、開幕戦に向けていい準備ができていると思っている」