フェリペ・マッサは、最近のF1テストではマクラーレンがフェラーリとの差を縮めてきているという意見を一蹴、フェラーリがチャンピオン最有力候補のチームであることに変わりはないと主張している。
2008年シリーズ開幕を控え、イタリアのラ・スタンプ紙のインタビューに対しマッサは、テストではそれぞれのチームが異なるプログラムを持って臨んでおり、そこでのタイムでチームのパフォーマンスを正確に測ることはできないと指摘、その上でフェラーリは、来週末のメルボルンに向けていまだ優位性を保っていると主張している。
「プレシーズンにはよくある話だ」とマッサは意に介する様子がない。
「例えばライバルチームが新しいタイヤを履いて、燃料を軽くして予選用のテストをしていたとする。その時僕らはレース(距離)を想定したテストをしていたとする。当然ライバルチームの方が僕らより速いよね。実際に先週、僕らは予選に向けてのテストをしてコースレコードを更新している。果たして誰がハッタリをかましているかはオーストラリアで分かるよ」
フェラーリの昨年型車は2007年にふたつの世界タイトルを獲得したことで、それ自身素晴らしい車であることを証明しているが、マッサは、F2008は昨年のマシンより確実に進化していると説明している。彼はそのため、今シーズンも昨年に引き続き成功を収められるだろうと考えている。
「(新車は)F2007より一歩進んだマシンであることは、すぐに分かった。最新のパーツを装備して空力面での改良を施したことで、前よりもかなり強力になっている」とマッサは自信を見せる。
「特に長いコーナーでのパフォーマンスがかなり向上している。そこは信頼性の問題と並んで(2007年からの)弱点だったが、それが解消された」
「実際2007年にはその問題に悩まされた。信頼性が高かったら僕はもっとやれたはずさ。でも世界タイトルを勝ち取るにはいろんなことがうまく組み合わさることが必要なんだ、運も含めてね。今年僕らは冬の間に、技術的な問題を克服するためにかなりの距離を走ったよ」
昨年の序盤、マッサは、キミ・ライコネンが新チームとブリヂストンタイヤに慣れるのに時間を要したこともあり、ライコネンを上回る成績を出した。だが彼は、最終的にはタイトル争いをしていた“四天王”から最初に脱落してしまった。彼は、今年は自分がライコネンの最大のライバルでありたいと語っている。
「勝つときっていうのはいつも何かが有利に働いているものだ。ちょうど僕が初優勝を果たした時のレースのようにね」とマッサは、明らかにライコネンのタイトル獲得の経緯を示唆しながら語った。
「でも単にパフォーマンスという観点でものを言えば、僕らはまったくイコールだ。今年もいつもどおりモチベーションは高いし、やれるという手ごたえを感じているよ。高いレベルで戦うために必要なすべてを僕は持っているんだということを分かっているからね」