鈴鹿サーキットは1日、サーキット内のプレスルームで2009年に実施する改修計画の概要を発表した。パドックエリアやグランドスタンドなど、改修計画は大規模なもので、09年3月末の完成を目指す。
国内初の本格的なレーシングコースとして長い伝統を誇る鈴鹿サーキットだが、現在の施設は完成から21年が経過しており、施設の老朽化が進んでいるというのが今回の改修の理由。また、09年からのF1グランプリ開催再開に向け、当初の改修計画をさらに見直したものが今回発表された計画だ。
09年3月までに改修されるエリアは主に東コース、グランドスタンド、パドックエリア。すでにパドックでは山田池の埋め立てが進んでいるが、これには鈴鹿市、近隣の農家などのバックアップがあったとのこと。
この埋め立てにより、パドックエリアは1.2倍の大きさに広がり、駐車台数なども増えるほか、パドックには新たにセンターハウスと呼ばれるビル、またピットやホスピタリティなども全面的に新築され、まったく姿を変えることになる。
ピットビルはこれまでの2階建てから3階建てになり、従来から100m延長。ピットボックスは48で、間仕切りを移動させることでF1グランプリ用に12の大型ピットボックスになる。
また、ピットエリアでのLAN環境やピット内の個室、シャワールームの設置など参加者にとって大きく快適性を増す。また、コントロールタワーやメディカルセンターも最新の設備を装備する。
パドック内のセンターハウスは、1階はカフェコーナー、2Fはホスピタリティエリアにつながるエントランスとなり、開放的な雰囲気でパーティーなどに使用することができる。また、ピット2F、3Fはガラス張りホスピタリティエリアとなる。
グランドスタンドは、新たに大屋根が設置され、これまでベンチシートだった部分を廃止し、全席個別シートになる。現状のA席、S1席、S2席エリアが見直され、新たにV席を約5900席増設。
グランドスタンド全体では1900席増えることになる。また、スタンド裏のグランプリスクエアが拡張され、多くのイベントスペースが確保されるほか、グランプリスクエアから1コーナーへの通路の拡張、現在のものに追加される形で新設されるパドックエリアとのトンネルの増設など、ファンへの快適性の向上も図られている。
コースに関しては、現状のレイアウトを活かし、東コース1コーナーイン側、逆バンクイン側、最終コーナーアウト側のランオフエリアを拡幅。2コーナーアウト側はグラベルと舗装で構成されたランオフエリアとなる。また、サービスロードが新設されるなど、安全にも配慮された改修がなされるとのことだ。また、西コースについても09年以降、順次改修されるとのことだ。