フェルナンド・アロンソは、ルノーがF1のペースセッターであるフェラーリとマクラーレンとの差を切り詰められるとの自信を示した。だがその一方で、彼はチームがシーズンの開幕までにやるべき仕事を数多く残していることも認めている。
「僕は楽観的だけど、同時に現実的でもある」とアロンソは言う。
「このチームに戻って来られて嬉しいよ。僕にとって(ルノーへの復帰)は、全く悩むことのない決断だった。すでにこのチームをよく知っているから、再び一緒に仕事をするのはとても楽なんだ」
「シート合わせのために久しぶりにファクトリーを訪れた最初の日には、このチームが何ひとつ変えずに待っていてくれたように感じた。まるで2006年の末に戻ったようだったよ。実際にも大きな変化はない。チームは以前と同じだ。エンジニアもメカニックも、ほぼ同じ顔ぶれだから、僕はすぐに居心地の良さを感じた」
「今年が少々苦しいシーズンになることは分かっている。相変わらずフェラーリとマクラーレンがズバ抜けて速いだろう。彼らと同じレベルまで行くには、相当な仕事をこなさなければならない。きっと誰もが去年と同じ状況にならないことを願っていると思うよ。去年はマクラーレンとフェラーリだけが別の世界にいたからね」
彼の見方は、まさに2007年のF1の状況を適切にとらえている。ポディウムは事実上トップ2チームがほぼ独占していた。昨年の“持てる者”と“持たざる者”のパフォーマンスの差は著しく、トップ2以外の“アウトサイダー”チームのドライバーがポディウムに上がったのは、たったの5回。残りののべ46のポジション(注:17戦×3−5)は、すべて赤いクルマか銀のクルマに乗る男たちに占められた。
だが、2008年にはそうした状況も変わるはず、とアロンソは考えている。
「開幕戦まであと15日しかないとすれば、確かに今から彼らに追い付くのは不可能だろう」と、彼はルノーが再び勝てるようになる可能性について述べた。
「けれども、僕らは2月にはやるべき仕事がたくさんあり、これからクルマには新しい開発部品が投入されることになる」
「僕らの予想では、少なくとも開幕戦に関しては、今のように彼らより1秒も遅いということはない。僕らはそのギャップを詰め、可能な限り彼らに迫っていかなければならない」
「(R27とR28の)最大の違いは空力面だと思う。メカニカルな面では、このシャシーは去年のクルマとそれほど違わないし、エンジンは当然のことながら新しいルールによって以前と同じだ。チームは空力に関する考え方を少し変えて、クルマのフロント周りに大きく手を加えた。それが去年ルノーを苦しめた問題の解決になっていることを願うよ」
「クルマは少しずつ進化している。僕らがオーストラリアへ持っていくクルマは、またこれとはずいぶん違ったものになっているだろう」
「今のところ、選手権の行方がどうなるかは誰にも分からない。話題の中心はやはりフェラーリとマクラーレンだけど、それは僕らにとってむしろ好都合だ。あまり注目されない方が、多少なりともリラックスして仕事ができるからね。これからはマシンのパフォーマンスを高めていく時期になる。まだまだパフォーマンスは引き出せるし、それがトップチームと戦うのに十分なものであることを願いたいね」