F1第16戦中国GPの決勝レースが中国の上海インターナショナル・サーキットで行われた。台風の接近が心配されたが、決勝レーススタート時にはほとんど雨は止んでいたものの、朝までの雨で路面はウェットコンディション。
午後2時、気温30度、路面温度30度、湿度82%と蒸し暑い中でレースが開始された。3列目6番手グリッドと好位置からのスタートで期待が持たれたパナソニック・トヨタ・レーシングのラルフ・シューマッハーは、スタート直後に痛恨のスピンを喫し、最後尾まで後退。
しかし、その後のラルフ・シューマッハーは鬼神の走りで次々と前走車をパスし、12位までポジションアップ。しかし、22周目に、V.リウッツィをパスする際に接触。
スピンを喫し、再び後退。さらに、ピットイン後に、ドライタイヤへと交換して再度の追い上げを図ったが、ピットアウト直後に突然降り始めた雨に足をすくわれ、最終コーナーでコースアウト。波乱のレースを終えた。
一方、12番手グリッドからスタートを切ったヤルノ・トゥルーリは、25周目のピットストップ時には9位までポジションを上げて行ったが、その後の雨に阻まれ、13位でチェッカーを受けた。チームは残念な結果に終わった中国GPを後にし、10月21日(日)にブラジル・サンパウロ市のインテルラゴス・サーキットで行われるシーズン最終戦ブラジルGPでの巻き返しを目指す。
ヤルノ・トゥルーリ
「今週末は私にとって本当に厳しいものだった。昨日はバランスの問題に見舞われ、今日の決勝は結果的に、ずっとチャレンジを強いられた。良いスタートを切ることが出来、その後のコンディションに対応したウェットタイヤでは、順調に戦っていた。しかし、ピットインの後には、いくつかポジションを落としてしまった。誰にとっても困難なレースであったが、私にとっても上手くは行かなかった。全力を尽くして攻めたが、ポイント獲得は叶わなかった。これから我々は最終戦の行われるブラジルへと向かうが、インテルラゴスでは良い結果を期待したい」
ラルフ・シューマッハー
「厳しく、残念なレースであった。1周目に他車を避けようとしてスピンを喫してしまった。しかし、その後は順調に追い上げ、多くのライバルをパスすることが出来た。V.リウッツィとの接触は残念だったが、あれは互いに故意ではなかったと確信している。あの時点で路面は乾きつつあり、我々は失うもののない状態だったので、ドライタイヤに交換するという賭けに出た。しかし、間もなく降雨に見舞われ、私はグリップを失い、エンジンも壊れてしまった。楽しめたレースだったが、結果が得られなかったことは、とても悔しい。私にとって、パナソニック・トヨタ・レーシングでのレースは残り1戦となったが、ブラジルでは、可能な限り多くのポイントを獲得し、良い雰囲気で終えるべく、努力する」
新居章年
技術コーディネーション担当ディレクター
「悔しさばかりが募るレースだった。変わりやすい天候を考慮して柔軟な作戦を準備し、途中までは思い描いていた様に行きそうだった。ラルフ・シューマッハーも2度の接触スピンにもかかわらず常に攻めのレースを見せてくれ、これからポジションを上げていこうとところで、通り雨にまさに足元をすくわれてしまった。ヤルノ・トゥルーリは順調にレースを進めていたが、ドライタイヤに変えた直後の通り雨でペースが乱れ、最後までその遅れを挽回できなかった。今年も残りはブラジルの1戦だけになったが、もう一度チーム一丸となりポイント獲得を目指す」