富士スピードウェイで30年ぶりの開催となった今季のF1日本グランプリ終了から3日が経ったが、インターネット上の掲示板やブログを中心に予選日終了直後から富士へ観戦者からの意見や苦情が相次いでいる。
ヘビーウエットの中、クラッシュやオーバーテイクなどが相次ぎ白熱したレースとなり関係者や海外プレスから一定の評価を得た富士スピードウェイではあるが、予選日から今回採用されたチケット&ライドシステムを中心に、観戦に訪れたファンから意見や苦情が相次いだ。
特に、土曜日に場内バス路が陥没したためバスが渋滞を起こし、長時間小雨の降る中バス待ちが発生、ネット上の掲示板の書き込みには5時間半以上待たされたというものもあった。また、編集部が取材し目撃したところでは、決勝日の東ゲートでバスの大渋滞が発生、「決勝に間に合わない」と判断したファンが自主的にバスを降り、本来バスに乗車していないとくぐれないゲートを徒歩で通っていく場面が目撃されている。このバス渋滞等により、スタートに間に合わなかった人が85人と公式発表されているが、もし誰もバスから出なければ間に合わなかった人は数千人単位に及んだだろう。
決勝日のレース後も同様に長時間のバス待ちが予想されたため、レース中にファンが席を立ち、帰路についてしまうという事態も発生。それでも最低30分以上のバス待ちだったようで、表彰台まで見ていったファンは予選日同様、長時間バス待ちをすることとなったようだ。また、バス乗り場に誘導員が少なく、行列に並んでいたファンが入れ替わり番号札を持ち、自主的に列を形成していたという書き込みも見られている。
また、ネット上に記入された声の中には、指定席スタンドではファンが作成・持ち込みした横断幕、旗の掲出が禁じられていたにもかかわらず、チームの公式ファンクラブだけがビッグフラッグを広げていたことに関する批判、雨を避ける場所が無かった等、また、シャトルバスが場内から出る際に関係者車両を先に通すため、一般ファンの乗ったバスが30分以上動かなくなるなど、多数の意見がネット上に書き込まれている。
もちろん、雨が降っていなければ渋滞のひとつの原因となった陥没が無かった可能性もある。また、初回ということでノウハウが足りていなかったことも事実だろう。しかし観客に対してチケット&ライドシステムしか選択肢が与えられていないにも関わらず、それが機能麻痺に陥り多くの観客が多大な被害を受けた事実は動かない。富士スピードウェイ側には詳細な分析と改善を要望したい。