フェラーリのルカ・ディ・モンテゼモロ会長は、今もくすぶり続けるスパイ騒動に対してさらに発言を付け加えると共に、日本GPでのFIAの対応についても激しく非難した。
60歳のモンテゼモロは、スパイ事件について触れ、ドライバーズタイトルはおそらくルイス・ハミルトンが獲得することになるだろうが、その価値はスパイ事件によって損なわれるだろうと主張した。この事件に関して下された判決によって、すでにフェラーリはコンストラクターズタイトルを得ており、ライバルのマクラーレンは1億ドルの罰金を科されている。
イタリアのガゼッタ・デロ・スポルト紙に対して語ったモンテゼモロは、FIAと世界モータースポーツ評議会がさらに踏み込んで、マクラーレンのドライバー、ハミルトンとフェルナンド・アロンソを選手権から除外するという処罰を加えるべきだったと主張した。そうなっていれば、事実上、ドライバーズタイトルは、キミ・ライコネンとフェリペ・マッサの2人が争うことになったはずだ。
「私は、マクラーレンのドライバーたちも失格にしなかったのは、深刻な誤りだったのではないかと考えざるをえない」とモンテゼモロは、ハミルトンが富士で優勝し、タイトルに王手をかけた後で語った。
「もしハミルトンがワールドタイトルを獲れば、それはフェラーリのおかげだったと、私は考え続けることになるだろう。なぜなら、彼のマシンの中には、フェラーリがたくさん含まれているからだ」
モンテゼモロはまた、日本GPでのタイヤを巡る混乱で、統括団体FIAの対応についても不満を表明した。全車がエクストリームウエットタイヤでスタートしなくてはならないという、チャーリー・ホワイティングからのEメールの通達を受け取っていなかったために、フェラーリのみがインターミディエイトタイヤでスタートした。
ライコネンとマッサは、スタートしてすぐの周回で義務づけられたタイヤに交換するために、ピットインを余儀なくされた。そしてモンテゼモロは、このピットストップがなければ、ライコネンが3位、マッサが6位というレース結果が違ったものになっていたかもしれない、と主張している。
「もちろん、私はこの結果には満足していない」と彼は怒りを露わにした。
「私は(ジャン)トッドと十分に話し合ったし、このタイヤの選択はリスクを伴うものだったが、フェラーリがFIAの決定を知らない状態で採用したものだ。これは問題であり、私はコミッショナーからなんらかの弁解があるのを待っている。この決定がなければ、他チームもインターミディエイトタイヤでスタートしていたかもしれない。我々のドライバーたちは、難しいコンディションの中でいい仕事をしたが、こういう結果になった。私としては違った結末を望んでおり、この結果には満足していない」