モータースポーツの統括団体FIAは、日本GPでエクストリームウエットタイヤ装着を指示するEメールがフェラーリにだけレース前に届かなかったという問題に対応し、今後は通達の手段としてEメールに加えてプリントアウトしたものも配布することを明らかにした。
富士でのレースが終わった後、FIAは声明を発表し、フェラーリだけがこの通達のEメールをレース前に受け取っていなかったことを明かした。フェラーリはこのためスタンダードウエットでレースをスタートし、すぐさまスチュワードの指示でピットに戻された。
こうした混乱が生じた結果、FIAは今後はEメールによる通知に加え、文書を配布する手段もとると発表した。
FIAの声明は以下のとおり。
「安全のために全ドライバーがエクストリームウエットタイヤを装着するよう要求する、スチュワードからの通達が、本日現地時間12時35分にEメールで全チームに送られた。スクーデリア・フェラーリ・マールボロを除く全チームが、このEメールを12時37分に受信したことを確認している」
「スクーデリア・フェラーリ・マールボロは、他のチームと同時刻にEメールを受け取らなかったと認識される。この結果、スクーデリア・フェラーリ・マールボロのみが、エクストリームウエットタイヤを装着せずにスタートすることになった」
「2007年F1スポーティング・レギュレーション (15.1条)には、例外的状況においては、スチュワードあるいはレースディレクターが、レギュレーションに従い、特別に回状によって競技者に指示を与える場合があると定められている。そしてこの回状は全競技者に配布され、競技者は受け取った旨を知らせなければならないと規定されている」
「2006年12月7日にモナコで行われたF1スポーティング作業部会の会合において、ピットレーンのロケーションによって時間的有利を得るチームがないよう、全競技者が通達を同時に受け取るため、電子配信システムを使用することに、全チームが同意した。このシステムが今季選手権において使用されてきた」
「同意された伝達手段である電子通信は引き続き使用されるが、今日のような問題の再発を避けるため、今後は従来の手段である文書による通信もバックアップとして行うことにする」