フェラーリのボス、ジャン・トッドは、来シーズン、同チームでキミ・ライコネンとペアを組ませるべく、2度の世界チャンピオンであるフェルナンド・アロンソと交渉しているといううわさを否定した。
アロンソとマクラーレン代表のロン・デニスの関係はうまくいっておらず、アロンソ本人は2008年もマクラーレンに残りたいとの意向を表明しているにもかかわらず、パドックのうわさではもっぱら両者は来シーズン、別々の道を歩むだろうという見方に傾いている。
アロンソはルノーに戻るか、あるいはフェラーリに移ってライコネンと“スーパーチーム”を形成するのか、いずれかの道を選ぶだろうと見られているのだ。後者の憶測は、2週間前のスパでフェリペ・マッサがトヨタのモーターホームを訪れる姿が目撃されたことから広まったうわさだ。
しかし、先週日曜の日本GPでのロイターの取材に対しトッドは、フェラーリのラインナップにアロンソが加わる可能性を否定している。
「ゼロパーセントだ」と、アロンソのフェラーリ移籍の可能性の確率を聞かれ、答えるトッド。
「我々にはキミとフェリペという二人の素晴らしいドライバーがいる。彼らにとても満足しているし、二人とも契約期限中だ。私は床掃除のスタッフについてさえ契約を重んじるタイプなのだから、彼らの契約を私が尊重しないはずがないだろう。契約がある以上、我々はそれを遵守する」
否定のコメントを続けるトッドだが、しかし、アロンソがフェラーリ・ドライバーになる可能性をまったく退けるわけではない。
「世間では、私がフェラーリにいる限りアロンソは来られないと言われているらしいが、それは正しくはない」とスペインのエル・パイス紙に語るトッド。
「そんなふうに言ったことはない。正確なところではないだろう。私はフェラーリに雇われている身なのだから、もしどこかの時点で、フェラーリがアロンソとの契約に興味を持っていることが分かった時には、私は了解するよ。反対することはない。私はフェラーリの利益のために働いているのだから」
「(アロンソのF3000時代に)彼が私にとった態度は確かに私の気に入るところではなかった。だが、あれ以降、彼は2度の世界タイトルを獲得し、いまや3度目に向け戦っている。随分と進歩したし、身体的にも精神的にも強くなった。一人のドライバーとして、彼のことは大いに尊敬しているので、“絶対ないとはいえない”としか私には言えない」
「しかし彼には2008年もマクラーレンとの契約が残っているから、それでは(フェラーリに)来ることはできない。契約というのは、私にとっては神聖なもので、尊重されなければならないものなのだ。ドライバーにとってだけでなく、チーム側にとってもね。他チームが我々の契約を尊重すべきなのと同様に、我々も彼らの契約を尊重する」