先の日本GPにおいて、レースがスタートするや、フェラーリの両ドライバー、キミ・ライコネンとフェリペ・マッサはピットインを余儀なくされた。その原因となった電子メールのせいで、ライコネンはフォーミュラ・ワン世界選手権のドライバーズタイトル獲得のチャンスを失うかもしれないとフェラーリは激しく非難した。
セーフティーカーが先導する中でレースは始ったが、FIAテクニカルコンサルタント、チャーリー・ホワイティングは、すべてのチームに対して、エクストリームウェザータイヤの装着を義務付けた。だがライコネンとマッサは、チームの天気予測にしたがって、よりトレッドの少ないウェットラバーを履いてレースをスタートさせた。
だがレース後まもなく、フェラーリは、2台のクルマをピットレーンに入れてタイヤを交換するよう連絡を受けた、さもなくば、失格になると。そしてチームはそれに従った。そのため、ライコネンとマッサは、順位を落として戦うことを余儀なくされた。
ジャン・トッドとルカ・バルディセッリは、すべてのチームに送られたその電子メールは、レースが始まった後に受け取ったものであり、メールが来るまでそういうルールがあるとフェラーリは気付かなかったと主張している。事実、トッドはそのようなルールを知ってショックを受けている。
「我々の天候の予想から、通常のウェットタイヤでスタートすることを選択した。だが数周後、エクストリームウェザータイヤの装着をスチュワードが決定していることを知らされた」
「チームがそのことを知らされたのは、レースが始まったすぐ後のことだった。レースがスタートした後に、その電子メールが、ステファノ・ドメニカリに送られていたことを知ったのだ。我々は驚いてすぐにドライバーに連絡を入れて、ピットインしてタイヤを交換するよう伝えた」
ライコネンとマッサは、それぞれ3位と6位に後退、しかし、最終的にチェッカーフラッグを受けたときには、レースのウィナーとなったルイス・ハミルトンとライコネンとの差はわずかに8秒だった。バルディセッリは、勝利が我々の指の間から滑り落ちていったと主張する。
「2人のドライバーが通常のウェットからエクストリームに交換することになったピットインによって、我々のレースは大損害を受けた。それは我々の気付かぬところでスチュワードが決定したことによって起きたものだ」
「我々は、通常のウェットでスタートすることを決めていた。というのもスタートはセーフティーカー先導で行われ、また天候は回復するだろうと考えたからだ。渋滞の状況の中でも我々はできる限りタイムを縮めようと頑張った。2人のドライバーもほとんど視界がゼロの中で、かつ他のクルマの後ろを走らざるを得ない状況でありながら、すばらしいレースをしてくれた」