鈴木亜久里は、新しいコンコルド協定がまだ合意に至っていない状況では、彼のフォーミュラ・ワンチームの将来に関して決定を下すのは困難と語っている。
鈴木は、チームの処分を考えているのではないかという憶測に関しては即座に否定はしたものの、今後を考える上で、議論の的となっているカスタマーカーの状況などの項目についての定義が明らかになるのを待つより他は無いと認めている。
「今の時点ではこの件について話すのは非常に困難。というのもコンコルド協定がまだ決まっていないからだ」鈴木は金曜日に富士で行われた記者会見でそう語った。
「それが決まって初めて我々は将来に関して論議することができる。もちろん私には考えはあるが、協定がすぐに決まるのかどうかも私にはわからない。我々は今年になって、7、8回話し合いの場を持っているが、いくつか我々は同意していない点も未だに残されている。我々が賛同している点もいくつかあるが、いつ合意に達するかまったくわからない」
また、現在の“パートナー”であるホンダは、スーパーアグリF1との継続関係には歓迎の意を示しているものの、彼らもまた、すべてのチームが協定に署名をするまでは、公式には決定できないと語っている。
「まだいかなる確固たる契約があるわけではない。なぜなら我々はいまだに署名していないからだ。というよりむしろ、来年のコンコルド協定をまだ見ていないのだからね」和田康裕ホンダレーシングF1チーム会長はそうコメントしている。
「まだ審議中の項目がいくつかあると思う。この論議はまもなく解決するだろうと願っているよ」
「今年我々が行ったとおり、我々はエンジン、ギアボックス、さらに技術援助も供給する用意はある。それを実際に行えるかどうかは状況次第だ。だが我々としては(スーパーアグリに対して)可能な限りのサポートをしていきたい。もちろん彼次第ではあるが。いわゆるカスタマーチームに関して議論すべきことがいくつかあるのは承知している。ひとつはコンストラクターに関する定義であり、他にもカスタマーカーに関して、またFOMからの資金分配に関しての論議にも解決を見なければならない。2つの異なる議題を同時に進行しなければならない状況だ。そのため、その結果次第というわけだ」
「彼がレーシングチームを続けていけることを私は望んでいる。それも決定次第だが、結果はまもなく出るだろうと確信している。今のところ議論すべきことは多いが、どういう形になるにしろ、コンコルド(協定)が最終決定に至る日は非常に近いと思っている。GPMAにおいて、我々はコンコルド協定の多くの点に関して、長い時間を費やして議論してきた。商業的な面や、コンストラクターの定義だけではない。議論し、改定し、再確認すべき議題がたくさんあったのだ」
また鈴木は、2008年も再び佐藤琢磨とアンソニー・デイビッドソンを起用したいと語った。だが、コンコルド協定の合意と、十分なスポンサーの獲得の両方が条件になると認めている。
「今の時点では決まっていない。様々なことについて話し合っている最中だ」と鈴木は語った。
「琢磨とアンソニーが我々のチームで続けてくれれば私は非常に嬉しい。だがそれもまだ決定ではない」
「資金は非常に難しい問題であり、スポンサーを獲得することは簡単なことではない。スポンサーとの話し合いだけではなく、同様にパートナーとも話し合わなければならない。もちろん自分のチームを売却したくは無い。だからこそ素晴らしいパートナーを必要としている。今の時点ではホンダはチームを資金面と技術の両面で援助してくれているが、いくつかのパートナーと話し合う多くの理由があるのだ」