第13戦イタリアGPの決勝レースで、Honda Racing F1 Teamのジェンソン・バトンが7月のフランスGP以来二度目となる8位入賞、ルーベンス・バリチェロは10位完走だった。
決勝当日も、朝から快晴となった。レース開始時点で、気温は28度。しかし路面温度は34度と、やや低めだ。先頭集団の2台が1コーナーで軽く接触したものの、ほぼ混乱もなく全車が抜けて行く。バトンは1周目に8番手まで上がるが、N・ロズベルグ(ウィリアムズ)に抜き返され9番手。バリチェロもひとつ順位を上げ、11番手だ。
2周目のD・クルサード(レッドブル)のクラッシュで、セイフティカーが導入される。7周目からレースが再開され、バトンは8周目にはロズベルグを抜き8番を走行する。
10周目。序盤3番手を走っていたF・マッサ(フェラーリ)が、トラブルで早々にリタイア。バトン、バリチェロは7、10番手に繰り上がった。かなりの燃料を積んでいるバトンは、激しく迫るロズベルグを懸命にしのぐものの、21周目にかわされる。
上位陣の1回目ピットインがほぼ終わった26周目。バトンは6番手、バリチェロも8番手と、そろって入賞圏内を走行する。そして、1ストップを選んだ二人は、33周目にバトンが、次の周にはバリチェロがピットへ向かい、オプションタイヤ(ソフト)に履き替える。その後順位が後退するものの、上位陣のピットインで、38周目にはバトンが8番手、バリチェロは10番手まで順位を上げる。そのまま53周を走り切り、チェッカー。バトンは7月のフランスGP以来のポイント獲得となった。
■ジェンソン・バトン
「第1スティントではひどいアンダーステアに悩まされたが、今日はポイントが取ることができて、本当によかった。ここはフロントウィングをとても低く寝かせて走るサーキットで、特にパラボリカではフロントタイヤが容易にロックしてしまう。右フロントにフラットスポットができてしまい、右コーナーすべてでグリップを失っていた。さらには最初のスティントを33周と長めにとっていたので、ロズベルグからポジションを守りきるのは非常に難しかった。もっといい結果も可能だっただけに、とても残念だ。しかし、僕たちはこの週末でベストを尽くし、1ポイントを勝ち取った。チームはすばらしい働きをしてくれ、今日の結果はみんなを勇気付けた。彼らの働きにふさわしい、新たなポイントを取れてうれしい」
■ルーベンス・バリチェロ
「今日はいいレースだったが、中団にいるマシンみんながコンペティティブで、5台のマシンが10秒以内の間にいた。僕らのペースは良く、プライム(ハード側)タイヤを履いたときには、本当にいいラップを刻んでいた。しかし、残念ながら、ウェバーが2回目のピットストップで僕の前に出た時に、ポジションを上げるチャンスがなくなってしまった。しかし、チームの懸命な作業のおかげで、これまでよりいい週末を送れ、さらにこれから残りのレースで、もっと力強いレースができることを期待したい」
■ジャッキー・エッケラート
エンジニアリング・ディレクター
「再びトップ10でレースができ、チーム全体に良い雰囲気が漂っている。両ドライバーのペースは速く、安定していた。ジェンソンはコバライネンとロズベルグを、ルーベンスはウェバー、トゥルーリを相手にそれぞれレースを競った。このレースに持ち込んだ最新の空力とサスペンションの開発により、われわれのパフォーマンス向上は明らかだ。この勢いを次のスパでのレース、その先のレースに向けて持続させていきたい」