イタリアGPは、SUPER AGURI F1 TEAMにとっては難しい週末となった。今日の決勝レースのスタートでは、アンソニーも琢磨もクリーンに集団から抜けることができたが、レッドブルのデビッド・クルサードの事故でセーフティカーが出動するまでは、琢磨はブレーキトラブルに苦しみ、順位を上げることができなかった。しかし、SUPER AGURI F1 TEAMは再び2台揃ってのフィニッシュを果たすことができた。だが、中団の他のマシンも進歩しており、グリッド全体がシーズン終盤の開発段階に入っている今、小規模チームが潤沢な資金を持つチームと肩を並べてペースを上げていくのはますます困難になってきている。
アンソニー・デビッドソン
「スタートもまあまあよかったし、ターン1では他のマシンもかなり冷静だったが、べッテルがぼくのマシンのリヤに接触して、ディフューザーにダメージを負ってしまった。重い燃料搭載量でもマシンは好調で、ウィリアムズのブルツと、その後はフィジケラにチャレンジすることができた。その後、彼がパラボリカでミスを犯したときにオーバーテイクすることができた。彼とはいい戦いができた。おそらく、その戦いがぼくのレースのハイライトシーンだったと思う。その後、燃料が減ってくると少しスピードに苦しみ、後ろから追ってくるぼくよりも速いマシンを抑えるのが難しかったが、トヨタのラルフは最後まで抑えることができたので、それだけでも十分に満足だ」
佐藤琢磨
「グリッドへ向かう時も、グリッドの上でも、ブレーキペダルがとてもソフトになったように感じた。明らかに何かしらの問題が発生していたが、その時にはもうどうしようもなかった。フォーメイションラップでマシンをウォームアップしようとしたが、グリッドに戻るとフロントブレーキから火が出た。煙がたくさん出ていたので、本当に心配だった。ブレーキは心配だったが、ターン1ではいくつかポジションを上げることができた。フロントブレーキが本格的にだめになってきて、リヤホイールが頻繁にロックするようになり、マシンの操作に苦しんだ。フロントが全く噛まなかったので、止まることができなかった。そして、その結果、いくつか順位を落としてしまった。セーフティカーのおかげでブレーキをクールダウンすることができ、ある程度まで回復した。その後は、再びレースを戦うことができ、数台をオーバーテイクして、プッシュして走り通すことができた。最後のスティントでオプションタイヤのグリップもある程度よくなったので、いいラップタイムを記録することができたが、全体的にはタフなレースだった」
鈴木亜久里 チーム代表
「タフなレースだったが、力は十分に発揮できたと思う。ドライバーたちもいいレースを戦った。再び2台揃ってのフィニッシュを見ることができてハッピーだ。メカニックやエンジニアたちも、今日はピットストップでいい仕事をしてくれたが、レースのペースに関しては、シーズン終盤へ向けて、マシンの改善の努力をする必要がある。難しい週末になることはわかっていたが、チームやファクトリーの全員の努力に感謝したい」