FIAは、スパイ疑惑事件について新たな証拠を入手したとして、来週世界モータースポーツ評議会(WMSC)を開くことを明らかにしたが、この新証拠は、マクラーレンのドライバー、フェルナンド・アロンソとペドロ・デ・ラ・ロサがかかわるものであるようだ。
マクラーレンがフェラーリの機密書類を不正に所持していたという問題に関し、WMSCは証拠不十分としてペナルティを科さないとの判決を下したが、フェラーリがこれを不服としたため、事件は控訴院に送られた。しかしこのヒアリングは、新証拠が出てきたとしてキャンセルされ、事件は再びWMSCに差し戻されることとなった。マクラーレンを不問に付すとした判決には、新たな事実が発覚した場合にはマクラーレンを2007年および2008年の選手権から除外するペナルティを科す可能性があるというただし書きがついていた。
今回出てきた証拠は、マクラーレンのふたりのドライバーの間でかわされたEメールであるとうわさされている。テストドライバーのペドロ・デ・ラ・ロサは、ナイジェル・ステップニーからマイク・コフランに渡った情報を受け取ったといわれる。デ・ラ・ロサは、マクラーレン時代以前にアロウズでもコフランと共に仕事をしていた。受け取ったとされる情報は、セッティングおよび、フェラーリのブリヂストンタイヤに関する作業についてのものであり、それをデ・ラ・ロサはアロンソに伝えたというのだ。
マクラーレンのドライバーたちは、FIAに情報提出を求められた。彼らはこの件に関してマスコミに発言することは禁じられているが、アロンソは木曜、スペインのテレビ局に対してこの問題を否定している。
先週、FIAは全チーム代表に向け、この件に関する情報提供を求める書状を送ると共に、マクラーレンドライバー3人にに対しても書状を送った。
デ・ラ・ロサ、アロンソ、ルイス・ハミルトンに対するFIAの書状は8月31日付けで送られた。これを見ると、FIAはデ・ラ・ロサがステップニーとコフランを通して情報を受け取り、それをアロンソに渡したと考えていることが推測される。また、この情報は第三者から提供されたものであり、FIAはデ・ラ・ロサのパソコンに残っていた送受信メールの内容を正確に把握しているように思われる。