ウイリアムズのテストドライバー、ナレイン・カーティケヤンが、2009年にF1世界選手権の1戦が母国インドで開催される可能性は極めて低いだろうと語っている。
インドはF1のカレンダー入りを狙う多くの国々のひとつであり、インディアナポリスが2008年の日程から外れたアメリカやロシアなどがひしめき合う、厳しい争奪戦の渦中にいる。
今年6月、インド・オリンピック協会のスレシュ・カルマディ会長は、インドがシンガポール、アブダビに続くF1の開催国になるという書類にバーニー・エクレストンがサインしたことを明らかにしており、ニューデリー近辺を舞台に2009年のF1開催を目指すと述べていた。
しかし、カーティケヤンはヒンドスタン・タイムズ紙の取材に対し、それは実現しないだろうとコメントしている。インドが開催にこぎつけるまでは少なくともあと5年は待たねばならず、場合によっては2014年まで待たされるかもしれないのだという。
「可能性は低いよ」2009年にインドGPが開催される可能性を聞かれたカーティケヤンは、同紙のサイト上でこのように語っている。
「僕は怪しいと思う」
「現状を見てほしい。現在インド国内で開かれているレースシリーズは、かなりの低予算で運営されている。だがF1はとても高額だ。2009年までにサーキットを建設できるとは思えない」
「恐らく5年も待てば、インドでF1を開催する見込みもでてくるだろう。なぜならインドにはF1を受け入れるだけの市場があるからだ。ウイリアムズのスポンサーであるレノボがいて、彼らはここで巨大な市場を抱えている。インドにぜひF1をと望んでいるはずだよ」
ナレインはまた、現在のインドにはレースに必要な基盤も備わっていないと指摘する。
「ヨーロッパ諸国と比べると、僕らはかなり遅れている。十分な資金がないんだ。この国のインフラは国際標準にまで達していない」
「インドにはたったふたつのレーストラックしかないんだ。それに比べて、イギリスのような小国でも15はあるというのに……」