フェラーリのフェリペ・マッサが、先のフランスGPで勝利を逃したのはトラフィックに前を塞がれたからであり、チームメイトであるキミ・ライコネンとのバトル中に、周回遅れの車両のせいで貴重なタイムを失ったと語っている。
マニ-クールでは、マッサが2巡目のピットストップまでリードを維持していた。しかし、ライコネンがマッサのピットストップと彼自身のストップの間にクイックラップを重ねた一方で、マッサは遅いクルマになかなか道を譲ってもらえず、タイムが出せなかったのだという。2台のフェラーリのタイム差は、それぞれの燃料積載量に基づいてチームが出していた予測どおりのものだったと指摘するマッサは、第2スティントの終わりにライコネンが彼の前に出たことについて失望の色を隠せない。
「間違いなく、今日は渋滞のせいで勝利を逃した」とため息まじりのマッサ。
「第1スティントではキミに4秒以上の差をつける予定で、前がいないときには完ぺきに上手くいっていた。4.8秒くらい差を開けたからね。第2スティントでは彼が僕より3周多く走り、それで同じ(リザルト)になるはずだった。僕が4秒以上先を行っている予定だったからね。だが、あまりにタイムをロスしすぎた」
「第2スティントの渋滞にはとてもガッカリした。前のクルマにそれほど近づいていなくても、多くのダウンフォースが失われ、ついて行けないほど速度が落ちるんだ。今日の僕の一番の問題がそれで、不幸にもそのせいで優勝を逃すことになった。3つのスティントともクルマは最高だったし、単独で走っているときは、とても速いタイムで周回を重ねられた」
あえて特定のドライバーを名指しすることはなかったが、かなりの車両が前を譲らなかったために、多くのタイムをロスすることになったとマッサは主張する。
「多くのマシンが前にいた。2台のレッドブルと、より難しかった1台のトヨタ、それにウイリアムズもそうだ」とマッサ。
「恐らく3台か4台が僕の前にいて、彼らは互いに争っていたんだ。だがレースをリードしていたのは僕だ。レース戦略は渋滞のことなど考慮せずに立てられているから、渋滞のせいで全てが台無しになることもある。渋滞をパスしさえすれば、キミに対して正常なギャップを築けただろうが、第2スティントではそう上手くはいかなかった。周回遅れに3周以上も引っかかれば、もう正常な状況ではない。まあ確かに、僕はリアウイングのすぐ後ろにいたってわけじゃないけど、ミラーで確認できる範囲にはいたはずだ」
「今のクルマは、前のマシンに接近しようとするとダウンフォースを失うこともあるから、前を抜けるほど十分に近づくことができない。だが僕らはレースをリードしていて、彼らは周回遅れになろうとしているんだから、彼らは僕らを先に行かせるべきだ」
シーズン3勝目のチャンスを逃して落ち込むマッサだが、フェラーリが巻き返すための1-2フィニッシュに貢献できたことには十分満足しており、今回の結果も選手権に向けてポジティブに捉えたいと語る。
「(キミ・ライコネンに2ポイントの差を拡げられたのではなく)ハミルトンとの差を2ポイント縮められたんだ」
「ポジティブなレースだった。フェルナンド(・アロンソ)に対しても差を縮めることができたからね。上々のリザルトだったと思うよ」