トヨタF1チーム代表のジョン・ハウエットは、今季中にフランク・モンタニーがレースドライバーに昇格する可能性はほとんどないと主張し、ラルフ・シューマッハーのチーム内でのポジションが危機にさらされているとの憶測について、再び否定の姿勢に転じた。
彼のコメントは、不調のラルフに代わって他のドライバーが起用される可能性を全否定するものではなく、最近ではティモ・グロックやエイドリアン・スーティルらの名前も挙っている。しかしながらハウエットは、シーズンが閉幕するまではラルフの問題に取り組むつもりはないと主張している。
「チームにはふたりのレースドライバーがおり、(モンタニーという)テストドライバー兼サードドライバーがいる。それが私たちの維持していく状態だ」モンタニーが今季中にヤルノ・トゥルーリと組む可能性があるかという問いに対し、ハウエットはこのように答えた。
「実際のところ、来年に向けてラルフとの契約を継続するかどうかということが問題なんだ。その件について、私たちは彼と話し合っているところだ。もし継続しないとなれば、将来のことを考えなければならない。だが現時点での優先事項は、今年のことに集中し、パフォーマンスを改善し、このマシンでラルフに最大限のチャンスを与えることだ」
ラルフのチーム内での立場は、モントリオールとインディアナポリスの“フライアウェイ”2戦の成績次第で決まるとウワサされており、結果はそれぞれ久々の1ポイント獲得と1コーナーでのリタイアというものだった。しかし、今回のマニ-クールでも彼は引き続きドライブしており、どうやら今シーズンの残りもこのまま留まることになりそうだ。そんななかハウエットは、ラルフがTF107とうまく一体化していないと説明している。
「彼に尋ねたほうがいいだろうが、根本的な問題は、マシンのフロントエンドとフロントのタイヤグリップだ。彼が自分のスタイルで走ることができるよう、マシンのバランスを取って、フロントのポテンシャルを十分に引き出す必要がある」とハウエットは語った。
「私たちは徐々にそれを改善しつつあるが、彼は(トゥルーリよりも)アンダーステアのマシンに対する許容力が低いのだと思う。それゆえ、私たちはもっとフロントのパフォーマンスを引き出し、彼のためにマシンのフロント部分のポテンシャルを発揮させる必要がある」