F1第7戦アメリカGPの公式練習の第1回目と第2回目が米国インディアナ州・インディアナポリスのインディアナポリス・モータースピードウェイで行われた。アメリカン・モータースポーツの聖地であるインディアナポリス・モータースピードウェイでオーバルコースの一部とインフィールドに設定された独特のコースを攻略すべく、パナソニック・トヨタ・レーシングの2台は合計3時間のセッションを通して様々なセットアップを試し、トラブルのない一日を過ごした。
午前10時からの公式練習第1回目は気温24度、路面温度35度、湿度58%のコンディションで開始され、2台共に序盤から積極的に周回を重ね、ヤルノ・トゥルーリが32周で11番手、ラルフ・シューマッハーが27周で13番手タイムを刻んだ。午後2時から行われた公式練習第2回目開始時には、気温は32度、路面温度は56度まで上昇、猛暑の中でのセッションとなった。ブリヂストンの
ソフトタイヤを試し、ロングランテストを行うなど、1周のラップタイムは追い求めず、より決勝レースへのセッティングとデータ収集へ照準を合わせた作業を行い、ヤルノ・トゥルーリが17番手、ラルフ・シューマッハーが20番手であった。公式練習初日で、多くの有意義なデータを収集したチームは、得られたデータを分析し、明日の予選と日曜日の決勝レースへと臨む。
ヤルノ・トゥルーリ
「今日はなかなか厳しい一日だった。いつものインディアナポリス同様、全体的に非常にグリップが低く、走行は困難だった。非常に多くの周回を重ね、異なるオプションと共に、2種類のタイヤを試した。しかし、予選と決勝レースへ向けてもう少しスピードを得るために、より作業を進める必要がある。今日はメカニカルなトラブルが一切無く、予定していた全ての作業を終えることが出来たのは良かった。私は常にインディアナポリスでは非常に良いレースを戦って来ており、予選では全てを引き出すべく挑戦し、良い結果を得たい」
ラルフ・シューマッハー
「我々にとってはかなり困難なセッションだった。非常に滑りやすく、グリップが低く、路面コンディションは部分的に悪かったが、セッションが進むに連れ改善されていった。金曜日のセッションが終了しただけでは我々の本当の位置を伝えるのは難しい。まだ夜を徹してやるべき作業が残っているが、我々はセットアップに関して様々なオプションを試したので、今日の成果から予選及び決勝レースで最良のものを引き出さねばならない。今日は2回のセッションを通じてトラブルも無く、3時間のセッションを有意義に利用することが出来たのは良かった。我々は明日へ向けて懸命な作業を続けており、私はその結果を楽しみにしている」
ディーター・ガス
レース&テスト チーフエンジニア
「今日も容易な一日ではなかった。両ドライバー共にかなりグリップ不足に苦しんでおり、特にセッションの序盤は路面コンディションも悪く、厳しかったが走行を重ねるに連れ改善されては行った。インディアナポリスでは、ストレートでの最高速を得るためにダウンフォースを低く設定せざるを得ず、そのためインフィールド区間が犠牲になり、全体的にグリップが低くなってしまうのは、どのチームも抱える問題だ。この点では、ドライバーに非常に難しいドライビングを要求する。しかし、良かったことは、トラブルフリーで広範囲なプログラムをこなすことが出来たことで、我々は今夜得られたデータを分析し、明日へ向けて最良の妥協点を見出すつもりだ。ライバルチームが各々のプログラムで走行していたことを考慮すれば、今日の我々はラップタイムを重視するよりもセットアップ作業とレースの準備作業に集中しており、タイムシート上の順位ほど悪いとは考えていない」