メディカルチェックの結果、BMWザウバーのロバート・クビカはアメリカGPを欠場することになった。代役としてセバスチャン・ベッテルがF1デビューを果たすことが決定した。
カナダで大クラッシュを喫したクビカは、退院に際し、すぐにレースに復帰したいとの意思を示していたが、FIAのメディカルチームは、短期間のうちに再度事故に遭い再び脳震盪を起こすことの危険性を危惧し、クビカの出場を認めなかった。
現在ワールドシリーズbyルノーで走るベッテルは、昨年BMWザウバーのサードドライバーとして何度か金曜フリープラクティスに出走、素晴らしい走りを見せ、注目を集めていた。
19歳にしてF1デビューを果たすことになったベッテルは、次のようにコメントしている。
「もちろんF1デビューレースが楽しみだよ。でも、別の状況で実現してほしかった。チームメイトが事故にあってドライブできなくなるなんて、辛いことだ」
「インディアナポリス・スピードウェイは、僕にとって未知の領域だ。でもこういう事態に備えてきたし、90分のプラクティスが2回ある。テストで走りこんでいるから、マシンがとてもいいことは分かっているしね」
BMWモータースポーツディレクターのマリオ・タイセンは、クビカの欠場は残念であるが、医師団がこの決断を下した理由は十分理解できるものだと語った。
「あの事故を見直すと共にメディカルチェックを行った結果、医師団はロバートにレース出場の許可を出さなかった。マニ−クールの前にも再度メディカルチェックが行われる」
「医師団はロバートは非常にいい状態であると考えてはいるが、レースに出ることは認めなかった。主に、再度衝撃を受けるリスクを考えてのことだ。我々は、医療担当者の決断を尊重する。チームとしてはこの事態に備えてきた。セバスチャンを全力でサポートし、ここでもいいレースを展開したいと考えている」
アメリカGPの週末は、ティモ・グロックがBMWザウバーのリザーブドライバーを務める。