ホンダ・レーシングF1チームのCEO、ニック・フライは、カナダGPで今季初ポイントを手に入れられるはずだったが、最後のセーフティーカー出動で戦略が失敗に終わったと語った。
ジェンソン・バトンはギヤのトラブルでスタートすらできずに終わったが、ルーベンス・バリチェロは混乱のレース展開の中で、一時は3位を走行した。結局は最後のセーフティーカー出動の影響でバリチェロは12位フィニッシュに終わったが、それがなければ5位は固かったはずだとフライは信じている。
「本当に悔しかった」とフライはレース後、英クラッシュネットに語った。
「ルーベンスもそうだが、ましてやジェンソンのことは本当に悔しかった。この手のコースでは、2台ともに走り続けてもらう必要がある。自分たちではどうしようもないさまざまな不定要素があるが、(2台走っていれば)戦略を分けて臨むことができるからね。ジェンソンは、グリッドポジションを考慮して1ストップを予定していた。ギヤがエンゲージしないというトラブルが起こらなければ、彼は非常にうまくやってくれたと思う」
「ルーベンスについては、戦略が効いて一時は3位まで浮上した。しかし、最後から2番目のセーフティーカー出動時、3位を走っていた彼をこの時ピットに入れなかったのは、今から思えば間違った判断だった。もしその後もう一度セーフティーカーが出なければ、5位でフィニッシュしていたはずだ。彼はオプションタイヤでとても速かった。だが、リウッツィがクラッシュした瞬間、私たちは自分たちのレースが終わったことを知った」
「ルーベンスはあまりマシンに満足していなかった。リヤのグレイニングのせいでアンダーステアが出ていると訴えていた。だが、ほとんどのドライバーが同じような状況だったと思う。最後のセーフティーカーの後、最後のピットストップを短い時間で行ったのだが、そのアドバンテージを生かせるほどの周回数が残っていなかった。全くついていなかった」
フライは、このレースは非常に予測不可能な展開になったため、最初から最後までチームのストラテジストにフルに力を発揮してもらう必要があったと語った。さらに、チームの努力を誇りに思っていると言い、これから数戦のうちに全員のハードワークが報われる兆しが見えてくるかもしれないと予想している。
「セーフティーカーが何度も出たので、ずっと緊張を強いられた。しかし私たちのチームには、戦略において優れたスタッフがいる。時々彼らの仕事を見ているが、非常に素晴らしい仕事ぶりだ。最終的に私たちが思ったようにはいかなかったので、彼らはがっかりしていた。でも、しっかりやっていたと思うよ」
「インディでも同じマシンを使う。コース特性に合わせて空力上の変更は加えるがね。次回も同じような状況で、予選トップ10に残るのには苦労するだろう。現状では、うまくいけば残れるが、ツイてなければ残れないということになるだろう。フランスではさらにマシンに変更を加える。これはかなり大幅な変更だ。私たちは今後もひたすら作業に取り組んでいかなければならない」