スーパーアグリF1チームの鈴木亜久里代表が、カナダGPで佐藤琢磨が6位入賞を果たし、わずか6戦にして2007年の目標を超えてしまったことに喜びを表した。しかし彼は、今週末のアメリカGPで同様の結果を出せるとは思っていないという。

　カナダGPで琢磨は、キミ・ライコネン、ラルフ・シューマッハー、フェルナンド・アロンソをオーバーテイクする好パフォーマンスを見せた末に、参戦2年目のチームにとっての最高位である6位を獲得した。過去最高のパフォーマンスを発揮できたことに、鈴木氏は興奮すると同時に驚きも感じている。

「本当に誇らしい」と、レース後に鈴木氏は英クラッシュネットに対して語った。

「4度もセーフティーカーが出動し、クラッシュも多発した異例のレースだったが、ウチのマシンは2台とも完走を果たした。これはかなり重要なことだ。弱小チームで予算が十分にないので、ドライバーたちがクラッシュするとアメリカGPで大変だっただろうからね」
「タクは、マシンはコントロールしやすく、とても乗りやすかったと言っていた。素晴らしいパフォーマンスだった。アンソニー（デイビッドソン）はレース中、いくつかトラブルに悩まされた。彼はとても速く才能のあるドライバーだが、毎回のように不運に見舞われる。マシンに関するフィードバック能力は非常に高いので、この先、彼もタクがここで出した結果を同じような結果を出すことができるだろう」

　デイビッドソンも入賞圏内を走っており、一時は5番手に位置していた。しかし、バックストレートを走行中にビーバーにヒットし、クルーの準備が全くできていない状況の中、緊急ピットインをし、最終的には11番手に沈んだ。

　鈴木氏は、チームの進歩を認めながらも、信頼性と戦略面の向上のためにはまだまだやるべきことがあると考えている。

「F1の誰ひとりとして、僕らのチームが今年この時点で4ポイントも取れるとは思っていなかっただろう。しかし僕らは進歩し、前進している。ウチはF1で最も小さいチームかもしれないが、ここには強い家族意識があり、それが全員のモチベーションを高める要因となっている」

「今年の初めに立てた目標は、ポイントを上げることとコンストラクターズランキングで10位に入ることだった。それは変わっていない。スペインでも入賞した。あのレースは多数のリタイアが出たが、レースでは生き残って完走を果たさなければならない。それが一番重要なことだ。インディアナポリスはまた別の展開になるだろうが、次回も何よりもまず確実に完走しなければならない。それが僕たちの一番の目標だ。F1は簡単にはいかないからね」

• -
  ツイート
• 0
  シェア