日曜にモントリオールで開かれたカナダGPにおいて、マクラーレン・メルセデスの1-2フィニッシュの可能性を台無しにされたとして、チーム代表のロン・デニスがF1の“不公平”なセーフティカー新ルールを批判している。
ルイス・ハミルトンが難コースのジル・ビルヌーブ・サーキットを完ぺきに征服し、F1での初優勝を手中に収めた一方で、チームメイトのフェルナンド・アロンソはツキに見放されていた。最初のセーフティカーが導入された際、ピットレーンが閉まっている状態で早すぎるピットインを行った彼は、ストップアンドゴーのペナルティを課され、結局チェッカーを受ける頃には7位に沈む結果となった。
「今日、最善の結果を獲得すべくチーム全体が懸命に頑張った」とデニス。
「だがあのセーフティカーの導入が、一部のドライバーにとって不公平になることを実証した。最初のセーフティカー出動の際、ピットレーンはクローズの状態だったが、ピットに入らざるを得なかった。その悔しさと失望と言ったら計り知れないものがあるが、もしもセイフティカーのせいで燃料切れになれば、我々は馬鹿みたいじゃないか?」
「しかし、こんなことでグランプリでの初優勝を果たすべく、ルイスが見せてくれた冷静で安定した走りを台無しにする気はない。ルイスのご家族は彼が成し遂げたことに自信をもって然るべきだ。またマクラーレンとメルセデス-ベンツは、彼の才能と意欲に必要なものを与えただけだ。彼はミスを犯さなかったし、この結果に十分値する走りを見せた。これで彼は表彰台の全ての段に上ったし、今シーズンの残りには息つく隙が出てくるかもしれない」
「今日のフェルナンドは本当に不運だったが、世界選手権への道はまだ長いし、我々は大いに競争力を発揮できそうだ。ロバート・クビカの無事をチーム全体が喜んでいるのは言うまでもない」
メルセデス-ベンツ・モータースポーツの副会長、ノルベルト・ハウグもデニスと同じ意見で、コンストラクターズ選手権ではフェラーリに28ポイントの差をつけ、またドライバーズ選手権ではハミルトンとアロンソが余裕でトップを占めるというチームの強力なシーズンスタートにより、彼自身がとても励まされているという。
「ルイスはF1でわずか6戦目にして初優勝を果たした」とハウグ。
「彼は全てにおいて最高の仕事をし、また常に冷静さを失わなかった。彼に対し祝福と賛辞を表したい。フェルナンドは、セーフティカー新ルールの犠牲者となってしまい、ストップアンドゴーのペナルティを受けることになった。最初のセーフティカーが出動した際、ピットがまだクローズの状態で給油を行ったからだ。だがタンクが空になれば、ピットインするよりほかはない。彼はレースの最速タイムをマークしたし、表彰台争いのひとりだった。だが少なくとも、難しい状況の中で2ポイントは獲得してくれた」
「我々はこの6戦中3戦に勝利し、今シーズンはここまで2台ともに完走を果たしており、全レースで入賞している唯一のチームとなった。これを可能にしてくれた、チームにいる全員の素晴らしい働きぶりに感謝したい。我々は1週間後に迫ったインディアナポリスでのアメリカGPに目を向けているが、今日最も大事なニュースといえば、あのゾッとするような大事故にも関わらず、ロバート・クビカが無事だったことだ」