第6戦カナダGP決勝レースで、Honda Racing F1 Teamのルーベンス・バリチェロは12位完走。ジェンソン・バトンはスタートできず、そのままリタイアを喫した。
カナダGP決勝は、通常より1時間早い午後1時に始まった。当日は、朝から快晴。レース開始時の気温は、27度。雲がほとんどないため、路面温度は予想より高く、53度に達している。
スタートでバリチェロは、13番手をキープ。しかしバトンはギアがつながらず、発進できず。そのままピットに運ばれ、リタイアを喫した。
22周目。A・スーティル(スパイカー)が壁にぶつかり、ストップ。これを排除するため、セイフティカーが導入された。そして27周目。ヘヤピンで大事故が発生する。BMWザウバーのロバート・クビカがコンクリート壁に激突。マシンはほぼバラバラに大破し、2度目のセイフティカーとなった。その後バリチェロは順調にポジションを上げ、49周目には9番手まで順位を上げる。
50周目。アルバースの事故で、3度目のセイフティカーが導入される。その直後にバリチェロより上位につけていたマッサとフィジケラが赤信号無視で黒旗失格になるという波乱の展開。さらに55周目には、V・リウッツィ(トロロッソ)のクラッシュで、4度目のセイフティカー。60周目にレースは再開し、バリチェロは3番手を走行する。しかし、63周目に、バリチェロがタイヤ交換のためピットイン。12番手まで後退し、そのままチェッカーを受けた。
■ジェンソン・バトン
「スタートで1速に入れたのだが、作動しなかった。グリッド上で、ニュートラルから1速に何度も切り替え、トラブルを回避しようとしたんだけれど、どうしても入らなかった。ピットレーンからスタートしようとした時も同じだったんだ。僕のレースは、始まる前に終わってしまった。今言えることは、本当にフラストレーションがたまるレースだったということだけだ」
■ルーベンス・バリチェロ
「今日は本当に波乱のレースだった。相次ぐアクシデントやリタイアがあったから、僕たちはポイントを獲得することができたかもしれない。しかし、最後のセーフティカーの出動は、僕たちの戦略に不利になってしまった。あれがなければ、5位を獲得できていたはずなんだ。レース中盤のクビサの事故の後、彼のことが気になっていた。あんな風に、目の前で他のドライバーが傷つくのはもう見たくない。彼が無事だって聞いて本当によかったと思う。このレースのことはもう忘れて、次のインディアナポリスに集中しないといけない」
■ジャッキー・エッケラート
エンジニアリング・ディレクター
「私たちにとって、本当に残念なレースだった。まずはジェンソンのギアにトラブルが発生し、レースをスタートすることができなかった。ルーベンスは大混乱の中、素晴らしい走りを見せ、3番手までポジションを上げた。当初の予定では、オプション(ソフト側)タイヤの使用を最小限にするため、2回目のピットストップをなるべく遅いタイミングでとろうと計画していたが、不運なことに、まさにピットストップに入ろうとした時に再びセーフティカーが出た。それでコース上に長い列ができてしまった。それがなければルーベンスは3番手から5番手になっていただろうが、最後のセーフティカーの出動で、彼は12番手になってしまった。よかったことといえば、あれだけのひどい事故にあったロバート・クビサのケガが深刻ではなかったことだ。私たちはそのことを聞いて、安心している」