Honda Racing F1 Teamは、今週、カナダGPを戦うべくモントリオールへと向かう。そして翌週は、アメリカ・インディアナポリスでのUSGPへと続く、北米2連戦の始まりである。
ホンダカナダは今年も同GPのメインスポンサーを務め、レースの週末には町の中心部にあるクレセントストリートで、さまざまなイベントを開催する。またサーキットの敷地内には「Honda World」というエキシビションを設け、Hondaの先進技術、環境、安全への取り組みをレースファンにも伝えていく。
■中本修平
シニア・テクニカル・ディレクター
「チームスタッフ全員の努力により、RA107が徐々に戦闘力を発揮しつつあるのは、うれしいです。前回のモナコでも、両ドライバーは進化を実感し、マシン性能をめいっぱい引き出してくれました。しかし、次のカナダは全く違ったチャレンジとなり、ダウンフォースも全く違うレベルです。そのため、このコース特性に合わせたセッティングを、マシンに施さなければなりません。モナコ前に行った、ポールリカールでのモントリオールに向けたテストでは好感触を得ていますし、それがこの週末に生かされることを期待しています。マシンには空力だけでなく、メカニカルパーツも投入し、開発も次々と進めていきます。北米2連戦も、ベストを尽くすつもりです」
■ジェンソン・バトン
「カナダGPは全カレンダーの中でも、僕のお気に入りのレース。モントリオールの街自体がすばらしいし、この週末の雰囲気は実に特別だ。カナダ人は本当にF1が大好きで、街中がF1一色になる」
「このコースで速く走るには、とにかく縁石にしっかり乗ること。そのためには、とにかく挙動の安定と、正確なドライビングが要求される。もし少しでも縁石に乗る位置を間違えたら、すぐに壁にぶつかってしまう。最も難易度が高いのは、最終シケインだろう。どんなに完ぺきな周回を刻んだとしても、ここで縁石の乗り方を間違えたら、それまでの努力が一瞬にしてフイになる」
「それから、きれいにスタートを決めることも、重要だ。その先はタイトなコーナーが連続していて、そこに22台が殺到する。でもここは同時に、抜くタイミングとしては絶好の場所でもある。レース中は、ターン10のヘアピンが一番の抜きどころだ。ここでは毎年のように、白熱したシーンが見られる」
■ルーベンス・バリチェロ
「モントリオールは偉大なサーキットで、僕自身これまでずっと楽しんで走ってきた。基本的には、長い直線とフルブレーキのコーナーが連続する。前回のモナコとは、全く違うレイアウトだ。ここでは直線でスピードを出しきれるように、中レベルのダウンフォースにセットアップを詰めていく。ポールリカールテストで十分な準備をしたし、あとは現在のポテンシャルをすべて発揮することが一番大事なことだ」