フェラーリのチーム代表、ジャン・トッドは、モナコGPでの同チームのパフォーマンスが通常よりも明らかに劣っていたことについて、それは1回限りのことであり、大きな意味はないと述べた。
大きく引き離されての3位でモナコを終えたフェリペ・マッサは、優勝したフェルナンド・アロンソに1分以上の差をつけられ、マクラーレンのふたりに危うく周回遅れにされるところだった。一方、チームメイトのキミ・ライコネンは予選のミスでチャンスを失い、16番グリッドからスタートして8位に終わった。
「モンテカルロが特殊な場所であることは誰もが知っている」とトッドは強調した。
「去年、そして一昨年のレースを考えてみてほしい。2006年のモンテカルロのレースは、2週間後のカナダとは全くの別物だったことが分かるだろう」
「マクラーレンがとても強いことは最初から分かっていたし、モナコではこれまで以上に強かった。だから、彼らの活躍には全く驚かなかったよ。フェリペにとっては僅差の予選となった。彼とハミルトンとはコンマ1秒以内の差だったからね。とはいえ、マクラーレンはやはり最速だった」
またトッドは、レース中にマッサのチャレンジが不発に終わったのは、第2スティントでブリヂストンのソフトタイヤを履いたことに関係すると示唆した。レース序盤、マッサはルイス・ハミルトンから僅差となる3位を走行していたものの、第2スティントでは互いに競い合うマクラーレン勢から40秒近くも離されることになった。
「最初のピットストップまでを考えれば、フェリペはハミルトンのすぐ後ろにつけていた」とトッドは強調した。
「よそが引き続きハードタイヤを履くなか、私たちはソフトタイヤの装着を決断した。その後、フェリペは1台のマシンを抜くのに5周もかかってしまい、その5周の間に15秒を失った。前の連中にトラブルが出ない限り、最高でも3位止まりだと分かっていた」
一方、選手権のリーダーと15ポイントもの差をつけられているライコネンについては、彼が最後に優勝を果たしたのは3月の開幕戦まで遡るものの、今でもタイトル争いに残っているとトッドは主張した。
「まだ可能性は十分にある」とトッド。
「もし残り2レースの時点で15ポイントの差を付けられているのなら、逆転はまず不可能だろう。だが残り12レースで15ポイントなら、1レース平均1.25ポイントの差でしかない。これはそんなに大きな差ではないと思う」
「チームはよく統制が取れている。マシンの開発を進めるにあたり、私たちはマラネロやサーキットでの作業に全てを捧げている人たちを頼りにしている。ミハエル・シューマッハーも見守ってくれており、彼は自分が気付いたことがあれば、エンジニアたちと話をする。彼のインプットは常にとても興味深いものだ」
「私たちはいくつかの改良パーツを用意しており、次のレースで投入する予定だ。絶えず前進していかねばならないからね。私たちはライバルを大いに尊敬している。彼らはとても強く、シーズン序盤は私たちよりも高い信頼性を示していた。私たちは選手権の残りのレースで戦わなくてはならないんだ」