先週末のマレーシアでマクラーレンに敗北を喫したフェラーリは、今週末の第3戦で再びマクラーレンの上に立つと宣言し、言い訳の類いは一切語らなかった。
ポールポジションと3番手という予選結果から考えれば、スクーデリアは当然のことながら、キミ・ライコネンとフェリペ・マッサが実際に得た3位と5位という結果よりもずっと良い成績を期待していたはずだ。しかし、彼らはつまらない言い訳でその結果を取り繕おうとはしていない。
「このレースの敗因がスタートにあったことは、誰にでも分かるだろう」と、ジャン・トッドは率直に認めている。
「フェリペのスタートは、彼にとってベストなスタートと言えるものではなく、マクラーレンの2台が彼を抜いて行った。しかもそのうちの1台はキミも抜いた」
そうして首位に立ったフェルナンド・アロンソは、ほとんど誰の挑戦も受けることなく、マクラーレン移籍後初となる勝利へと突き進んだ。また、彼のチームメイトであるルーキー、ルイス・ハミルトンも、攻撃的なドライビングでマッサとライコネンの追撃を抑え込んだ。マッサは彼を抜こうと試みた結果、スピンを喫して順位を落とし、同様に手強いニック・ハイドフェルドを相手に失地を回復できず、結局5位でフィニッシュを迎えた。
「フェリペがハミルトンをパスしようとした試みについては、ご覧になったとおりだ」とトッド。
「彼はコースアウトして、2台に抜かれた。その後、私たちはポジションを上げることができなかった。ライバルチームはどこも強力であり、単純に彼らの方が私たちよりも速く、彼らはその速さに相応しい成績を得た。私たちとしては、もっといい仕事をするよう努力するということ以外、言うべきことは何もない」
チームの新しいストラテジスト、ルカ・バルディセリは、スタートとその後のレース序盤でハミルトンに抑えられたために、フェラーリの両ドライバーがアロンソと戦うチャンスを失ったことを認める一方で、彼らが2台のマクラーレンの後塵を拝した理由を説明してくれるような技術的な理由は見当たらないと述べた。
「私たちのデータには何の問題もなかった。ライバルよりもパフォーマンスが劣っていたことは明らかだが、私たちのクルマには、これといった問題はなかったんだ。何が起きたのかを見極める必要がある。特にターン1付近でアロンソがフェリペに急速に接近し、フェリペがうまくコーナーに進入できなかった場面をね」
またバルディセリは、スタートが予定どおりに行かなかったため、結果としてフェラーリの予選戦略が裏目に出たことを明かした。
「ライバルと比べて、私たちは少し攻撃的に予選を戦うというアプローチを採っていた。スタートで失敗すると、こうした戦い方は完全に裏目に出る。自分たちよりも燃料が重いライバルの後ろを走らされる上に、第2スティントでは逆にライバルより多めに燃料を積んで走らざるを得なくなるからだ」
「そこでクルマが重いのは不利になる。結局のところ、私たちはその代価を支払わされたのだ。クルマは金曜と同様のパフォーマンスを発揮していなかったし、合同テストの時とも違っていた。私たちはその原因を理解するために、データを解析している。とりあえず私に言えるのは、セパンはフュエルエフェクトがかなり重要なサーキットであるということだ」