シーズン開幕戦のオーストラリアGPを不調に終えたルノーだが、マネージングディレクターのフラビオ・ブリアトーレは、昨シーズンでミシュランがF1から撤退したことが、2年連続でタイトル獲得を成し遂げた同チームに大打撃を与えたと語っている。
メルボルンでは2005年、2006年と優勝を果たしているルノー。しかし今シーズンは、ジャンカルロ・フィジケラが前に大きく引き離されての5位、また、途中コースオフを喫し、タイムをロスしたルーキーのヘイキ・コバライネンは10位に終わり、わずか4ポイントしか獲得できなかった。ブリアトーレは、ルノーの劇的な不調は、単独サプライヤーとなったブリヂストンへの移行が大きな原因であると述べている。
「今日の結果は、私たちが予想していたものより少々悪いものだった」とロイターに語ったブリアトーレ。
「とはいえ、自分たちが遅れをとっていることは分かっている。そんなことは最初からね。2006年型マシンにブリヂストンタイヤをつけた時点で、マクラーレンの方が速さを見せたのだから、私たちが問題を抱えているのは明らかだ。ミシュランを履いたマシンは非常にバランスがよかったので、(ミシュランの撤退は)ルノーにとって何よりの損失だ」
ルノーは、フェラーリやマクラーレンがアルバートパークで示したトップタイムからかなりの遅れをとったばかりでなく、復調したBMWザウバーの後塵を排することにもなった。ニック・ハイドフェルドはフィジケラに28秒の差をつけ4位入賞、彼の僚友ロバート・クビカも、36周目にリタイアするまでフィジケラの前を走っていた。
2005年オーストラリアGPのウイナーであるフィジケラは、フェラーリのフェリペ・マッサを抑えることはできたものの、そのマッサは予選後にエンジン交換を行ったため、グリッド最後方からのスタートだった。また、フィジケラのファステストラップは、キミ・ライコネンの出したトップタイムより1.6秒も遅かった。
マクラーレンとBMWとのギャップに驚いたというエンジニアリング担当エグゼクティブディレクターのパット・シモンズは、次のように語った。
「BMWは凌げるだろうと思っていたが、そうはならなかった」
「ライバルたちと比べて、私たちがどれほどの競争力を持っているのかが明らかになったが、これまで行ってきたやり方を変えることはない」
「昨年の今ごろ、私たちはほかより一歩抜きん出ていたが、それでもトップの地位を守るため、かなりハードな作業に徹していた。限られたリソースをどこにつぎ込めばいいのかを分析し、常にギャップの縮小に努めていくことが大事だ。次のグランプリ前に、マレーシアで3日間のテストを行う。いつものようにマシンの数カ所が新しくなるので、まずはそこから作業を進めていくつもりだ」