ブリヂストンは、スクーデリア・トロロッソのスコット・スピードがオーストラリアGPのレース中に離脱したのは、初めに疑われたタイヤ自体の不具合によるものではなく、空気圧の低下によってリタイアを余儀なくされたと明かした。
同チームのエンジニアとともに合同捜査を行った結果、F1の単独タイヤサプライヤーであるブリヂストンは、その過失はタイヤ自体にはなく、原因は別にあると結論付けた。スピードは芝生を横切った際に激しい振動を受けており、そのことについてスピード自身は、タイヤが“破裂した”結果であるとTVクルーに語っていた。
「今週末は大量のタイヤが使用されたにもかかわらず、タイヤの問題は何も起きなかった」と、ブリヂストンのキース・ファン・デ・グリントは説明する。
「スコット・スピードは、たしかにフロントタイヤの空気圧低下に苦しめられた。(しかし)チームとの合同捜査を行った結果、タイヤそのものとは無関係な空気漏れが原因だったことを突き止めた」
スピードは29周目のアクシデントに遭遇するまで、フェラーリエンジンを搭載したSTR2で力強いパフォーマンスを見せていたものの、第2スティントではマシンがドライブ不能に陥ったと述べた。
「第1スティントが終わるまでは、自分の前にいるマシンと同じようなペースで走れていた。でも、タイヤを路面に押さえつけるのに苦労した」とスピード。
「ピットストップの1回目が終わった後は状況が悪化し、ちょっとアンダーステアになった。明らかに、フロントの両タイヤからゆっくりと空気が漏れていたのが原因だ」
単独でタイヤを供給するということは、争わずして優勝が手に入るということだ。そのためブリヂストンは、レースでの目標を別のところに定めた。それは58周を走りきる間に、どのマシンもブリヂストンが用意した2種類のコンパウンドを必ず使用するということだ。ファン・デ・グリントは、その成果に満足しているという。
「全車にタイヤを供給するという新たな局面を迎えたが、両スペックとも我々のシミュレーションで予測されたとおりのパフォーマンスを見せた」
「ミディアムコンパウンドは非常に安定性があり、ソフトコンパウンドの方は、どのチームにとってもチャレンジングなものとなった」
「今週末は1800本以上のタイヤを扱い、全員が一生懸命に作業を行った。しかし、日本の良い伝統に言わせれば、そこには常に改良の余地がある。今後についてもより良いアイデアを温めているし、セパンでの次なる厳しいチャレンジに立ち向かうのを楽しみにしている」