バーニー・エクレストンが、莫大な赤字を算出していると指摘されるオーストラリアGPについて、いまのところカレンダーから外れるような状況にはないと語った。
すでに満杯だと言われるF1カレンダーの、最も新しい追加国と見られているシンガポールでの会議を終え、オーストラリアへ飛び立ったエクレストン。彼は、観客不足で今後の開催が危ぶまれているオーストラリアGPについて、とくにフリープラクティスの前日を中心に見れば、アルバートパークへの入場者数は他のサーキットよりかなり多いと述べ、イベント中止の危機にあるという憶測を否定した。
「今日の新聞を読むと、昨日は観客がだれもいなかったという記事がある」とサザン・クロス・ブロードキャスティングのインタビューに答えたエクレストン。
「だが、木曜日に4万5千人以上の人々が訪れるサーキットなど、ほかのどこにもない。彼らはまったく見当違いなことをしゃべっている」
今年の木曜日の入場者数は約4万7500人と発表されたが、過去12年間を振り返ってみれば、その数は減少している。契約が切れる2010年、オーストラリアGPの存続を巡っては、観客数ではなくイベントのクオリティを中心に話し合われることになるだろうとエクレストンは言う。
採算が取れないと囁かれているオーストラリアGPだが、さらには人気のV8スーパーカーのサポートレース開催が見送られたことによって、オーストラリア・グランプリ・コーポレーションは莫大な損益を出しているという。スポンサーやホスピタリティ、チケット売上げが減少し、その損益は500万ドルに上ると見られている。しかし、同社のチェアマン、ロン・ウォーカーは、日程変更がうまくいけば、将来的にV8シリーズがグランプリに戻ってくると強気の構えを見せている。
「オーストラリアGPには様々なエンターテイメントの要素を取り入れたい。メルボルンに(V8シリーズが)戻ってくるチャンスがあれば、エクレストンと交渉するつもりだ」ウォーカーはメルボルンのエイジ紙のインタビューに答え、このように述べている。
「これまでに色々と協議してきた。話し合いはまだ続いているが、F1が始まる前にいい知らせがあるといいね」
「メルボルンはF1グランプリを開催するにふさわしいところだと思っている。私たちは何年もかかってようやくグランプリをホストできるようになったのだから、もちろん手放すつもりはない」