2007年からF1のタイヤはブリヂストンのワンメイクになり、各グランプリで指定された2種類のコンパウンドを使わなければならなくなる。だが、チーム側があらゆる可能性をひと通り検討し尽くせば、それ以降はあまり大きな問題にはならないだろうとパット・シモンズは考えている。
ルノーのエンジニアリング担当エグゼクティブディレクターを務めるシモンズは、この新しいルールによって、タイヤを戦略ツールのひとつとして考えるとき、チーム側にある程度の自由度がもたらされることを認めている。しかし彼は、シーズンが深まるにつれてチームの大半がほぼ同様の戦術を採るようになるだろうと述べた。
「タイヤの使い方について、私たちは2006年シーズンを通じて綿密な注意を払わなければならなかった。そして、今年はルールの変更によって多少自由度が高くなるものの、依然としてタイヤはレースウイークエンドのプランにおいて重要な役割を果たすことになるだろう」とシモンズ。
「レース中に2種類のタイヤを使うことは、それほど大きな変化ではない。その影響はレースごとに変化するだろうし、ソフトな方のタイヤがそのサーキット、あるいは全般的なコンディションの中で十分に使えるかどうかによって、影響の大きさは変わってくる」
「他の戦略的なファクターと同様に、レースを組み立てる上での最適なタイヤの使い方があるはずで、大部分のチームはすぐにその最適なポイントを探し当てるだろう。シーズンの開幕直後には、多少のバラつきがあるかもしれない。だが、それほど時間が経たないうちに、すべてのチームが同じような戦略を採るようになると思う」
今年のF1のタイヤに関するもうひとつの変更は、どのクルマがどちらのタイヤで走っているかが外観から明確に分かるようになることだ。これはファンにとってありがたいことであると同時に、シモンズもこの変更を歓迎している。
「2種類のタイヤを観客が見分けられるようになるというのは、とてもいいことだ。レースが分かりやすくなり、透明性が高まるからね。チームにとっては、今までとほとんど変わりはない。いずれにしても、私たちはみんなそれなりのリソースを費やして、ライバルのタイヤについての情報を収集してきたんだ。だが、これからはそのリソースを別なところへ振り向けることができるようになる。とにかく誰にとってもいいことだよ」