ブリヂストンは今シーズンの開幕5戦における供給体制について発表した。今週末に行われるメルボルンでの開幕戦では、全チームにソフトおよびミディアムコンパウンドのタイヤが供給されるという。
アルバートパークで用意されるタイヤよりも、さらに柔らかいタイヤが使用されるのは第5戦のモナコのみとなり、開幕戦からモナコまでの間に行われるマレーシア、バーレーン、スペインの“暑い、もしくは暖かい”3戦では、ブリヂストンが供給する中でも最もハードなタイヤが使用される。
2006年末、ミシュランが当初の予定よりも1年早くF1から撤退したことを受け、単独サプライヤーとなったブリヂストンは、今シーズンから全11チームに同一のタイヤを供給することになり、近年のようなオーダーメイドのタイヤは廃止される。さらに、レース展開を面白くするため、供給される両方のコンパウンドをレース中に使用することが義務づけられる。
4つのコンパウンドを持つ溝付きドライタイヤの中から、様々なスペックが全17戦のために製造され、年間を通じて全チームに平等な戦いの場が用意されると期待されている。また、先週にはスポーティング・レギュレーションも改正され、各グランプリごとに供給される2種類のドライタイヤのスペックを、外見から区別できることになった。この計画は冬の間に中止となるとも囁かれていたものの、これからはファンにとって、どのマシンがどのスペックを使用しているのかが一目瞭然となる。実際にどのような区別がつけられるのかは、まだ明らかになっていない。
ブリヂストンの声明には、次のように書かれている。
「タイヤに印を付けるうえでの最適な方法はまだ検討中だが、(その区別は)ふたつのスペックのうち、オプションタイヤの方に付けられる予定だ」
「ブリヂストンタイヤのフィッティング・スタッフにとっては、余分な仕事が増えることになる。しかし私たちは、迅速かつ効率的に対処できると考えている」
モナコGPは5月27日に決勝レースが予定されているが、このようにかなり早い段階でタイヤの種類を決定することには、タイヤテストの削減と、冬の間のブリヂストンによるハードワークが影響しているという。このことについて、ブリヂストン・モータースポーツのトラック・エンジニアリング・オペレーションズの責任者、キース・ファン・デ・グリントが次のように説明した。
「冬の準備期間中、私たちはどのタイヤを使うべきかについてのアイデアを持っていた」と彼は明かした。
「12月から2月末までの冬季テストを利用して、その考えが正しいのかという確認を行った。たとえば、オーストラリアでのスペックについては元々の予想を変更し、より柔らかいタイヤを使うことにした」
ファン・デ・グリントは、観客のために2種類のタイヤオプションに印をつけるという変更がなされたことにより、それまでの方針を少々変えることになったと認めたものの、その重要性についても理解できると語った。
「この決定がこれほど遅くなったことには、確かに少し驚いた。しかしいつも言っている通り、私たちはFIAの決定をサポートするように努力する」
「もちろん仕事は増えるが、難しすぎるということはないはずだ。情報量は増えるので、メディアがそれを観客や一般大衆に伝えることができる。それはこのスポーツの利益になると思う」
ブリヂストンは、ソフトとミディアムのコンパウンドをメルボルンに、また、セパン、バーレーン、バルセロナではミディアムとハードを供給する予定だ。また、モナコではできる限りソフトなものが用意され、メルボルン用のスペックに加えて、スーパーソフトのオプションが追加される。