F1GP2007年シーズンは、今週末メルボルンで開催されるオーストラリアGPで戦いの火ぶたが切られる。
2月下旬に発表されたHonda Racing F1 Teamの新しいマシン・カラーリングは、地球環境を意識した新しい試みだ。その「地球カラー」をまとったRA107は、このグランプリがサーキットでの初披露、そして実戦デビューとなる。
開幕戦に先立ち、地球環境への意識を高めるため、レースドライバーのジェンソン・バトンとルーベンス・バリチェロは、アルバートパーク小学校を訪問。同校生徒たちと、省エネに関するプログラムを行うことになっている。
チームは今年、バトン、バリチェロという同じドライバーラインナップでシーズンを戦う。2人の経験、能力は、全22人のドライバーの中でも、卓越したものである。
■中本修平
シニアテクニカルディレクター
「100%Hondaチームとなって2年目の今年、われわれは非常に高い目標を設定しました。冬のテストを終え、いよいよ開幕戦に臨むことに、毎年のことながらとても興奮しています。直前のバーレーンテストである程度の進化を達成できたとはいえ、本来望んでいたポジションに到達するには、まだやるべきことは多いです。現時点では予選よりも、レース中の走行ペースの方が優れているようですが、いずれにしても現行のマシンから最大限の能力を引き出すべく、ベストを尽くすつもりです。そして開幕戦後のセパンテストでは、さらなる改良パーツを投入します」
■ジェンソン・バトン
「F1デビューした場所だからね。僕にとっては、いつまでも特別なグランプリだよ。でもアルバートパークというサーキットだけじゃなく、開幕戦を迎えてざわめく街の雰囲気も大好きだ(バトンは7年前の2000年、ここメルボルンでF1キャリアをスタートした)。僕はオーストラリアに着くとすぐ、実戦間近ということもあって、かなりみっちりとトレーニングを重ねる。現地で仲よくなった友人と、サーキット近くの海岸沿いを自転車で走るんだ。レース前のトレーニングには最高の場所だし、それ以外の時間は地元のレストランをチェックして楽しんでいる」
「開幕戦の気候は、例年けっこう変わりやすい。ある年は南極から冷たい風が吹き込んで、ものすごく寒かったり。それが翌年には、ウソのように暖かくなったりする。もちろん暖かい方がありがたいから、今年もそれを祈っている。シーズン最初のレースだけに、スタートして1コーナーになだれ込むときは、混乱が生まれるだろう。路面はすごくバンピーだから、ブレーキングしながらその上に乗って、タイヤをロックさせないよう、気をつけないといけない。スタート時は、抜くには最高のタイミングだ。あとは裏のストレートから右へと続く、高速のアスカリコーナーかな。あとは3コーナーでも仕掛けられるけど、成功の可能性はかなり低い。ここではとにかく、コーナリング中にちゃんとクリップにつくことが重要だ。他のサーキットでは、コーナー進入時のブレーキングが重視されることが多い。でもここはシケインとS字コーナーで、レイアウトが構成されてる。だから非常に正確、かつ安定したドライビングが求められるんだ。冬の間に努力していたことすべてが、このシーズン初戦で発揮されなければならない。的確なレース戦略、ミスのないピット作業、そしてマシンの信頼性。すべてがうまく回らないといけないんだ」