フェラーリ、マクラーレン、ルノーという、“ビッグ3”に対抗する予想外のライバルとして冬季テストに登場したBMWだが、オーストラリアで行われる開幕戦では謙虚な目標を定めているという。
ニック・ハイドフェルドとロバート・クビカの両ドライバーは、新車F1.07を駆ってのオフシーズンテストでは上位を脅かしてみせ、彼らがアルバートパークの勝者となる可能性もあると囁かれている。しかし、BMWは彼らの見せるペースに満足しながらも、いまだ信頼性という懸案材料があると語っている。
昨シーズンのアルバートパークでは4位フィニッシュを果たしたハイドフェルドだが、彼は今年、その成績を繰り返すことよりも、完走することだけを目標にしていると語った。
「アルバートパーク・サーキットは、ドライブするのが楽しいサーキットだよ。でもそれだけではなく、ドライバーにとっては腕を試されるサーキットでもあるんだ」とハイドフェルド。
「というのも、常設のレーストラックじゃないから、週末がスタートする時にはあまりグリップを得ることができないんだ。金曜日にクルマが多く走れば、ラバーもすぐにアスファルトに乗ってくれるだろうね」
「僕たちはテストでかなりの速さを見せたけれど、残念ながら信頼性の点ではいまひとつだった。だから開幕戦で一番大事なことは、完走することなんだ」
これは、チーム代表のマリオ・タイセンも繰り返し述べていることである。タイセンはライバルチームから幾度もの称賛を受けていたものの、同時に信頼性に関する懸念を解消するため、マシンの開発は開幕戦の直前まで続けなければならなかったと語る。
「昨年、我々はアルバートパークで非常にいいパフォーマンスを発揮することができた。今年もまた、日曜の晩に祝うことができればうれしいね。だがいつも通り、予想することは困難だ。我々は、時にはライバルチームからの惜しまぬ賛辞を得ていたが、テストではいくつかの問題も発生していた。いつもどおり、クルマを開幕戦までに間に合わせるという時間との戦いになる」