ルノーF1のシャシー・テクニカルディレクターのボブ・ベルは、今週末のカナダGPで、ルノーにとって“やり残した仕事”をやり遂げたいと考えている。2005年と2004年の同レースでは共に2台ともリタイアを喫し、勝てるはずのレースを落としているからだ。
だからこそ、今回はよけいに、結果を出そうと決意して臨むことになるだろう、とベルはイベントを前に語った。
「私たちはこのレースを手なずけたい。そして、過去2年間で出すべきだった結果を出したいのだ」とベルは語った。
「パフォーマンスの点では、私たちはモントリオールでこれまで長年にわたって速さを見せている。私たちは、過去2年のレースで、2回とも優勝の可能性があったし、2005年にはワンツーも可能だったはずだ。だから、チーム全体にとって、本当にやり残した仕事という感じがあるのだ」
ジル・ビルヌーブ・サーキットの昨年と一昨年のレースでは、ルノーは、信頼性の問題から大きな打撃を受けた。4つのリタイアのうち3つが、信頼性の問題によるものだったのだ。しかしベルは、今回は同じようなことは起こらないと自信を持っている。
「間違いなく、私たちの今年のパッケージは、去年以上に信頼性がある。今季これまでの16の出走中、完走できなかったのは1回のみで、これは非常にいい記録だ」とベルは付け加えた。
「カナダはメカニカルな点から言って、とても厳しいレースだ。サーキットが、ストップ&ゴーの性質を持っているからね。だが、信頼性の観点からすると、私たちは大丈夫だと自信を持っているよ」
「カナダでは、しっかり止まり、しっかり加速する必要がある。私たちのマシンは、優れた空力性能、強力なエンジン、素晴らしいトラクションを持っており、ブレーキング時にも安定している。さらに、ドライブしやすいので、両ドライバーがレースの間じゅうアタックすることが可能だ。モントリオール・サーキットの性質が、私たちのパッケージの強さを際立たせることになると思う」
さらに、シーズンが中間地点を越えようとしている今、カナダでまたいい成績を挙げることは、両選手権にとって決定的な意味を持つかもしれない、とベルは考えている。
「私たちはこのレースを、いいポイントを獲得して終えたい。勝利に挑戦できないという理由はないし、フェラーリに対する選手権のポイント差を保ちたいと思う。実際、今後2戦でそのリードをいくらか広げたいと望んでいる」とベルは続けた。
「もし私たちが、これほどの点差を持って選手権の中間点を越えられるとすれば、ライバルたちは、前半戦の私たちのパフォーマンスを再現するのみならず、それ以上の成績を挙げねばならないということだ。それはたやすいことではないだろう」
「1年のこの時期は、年の終わりに向けて、開発のプロセスをどれくらいハードに進めていくかという大きな選択をする時期だ。もし、私たちがリードを保てれば、それは選択に影響するだろう。北米ラウンドで好成績を残せれば、心理的に大きな弾みをつけることになり、(7月16日の)マニ−クールでは攻勢に出られるだろう。今後の何戦かで、アドバンテージをさらに増やしていきたいと思う」