今週、SUPER AGURI F1 TEAMは大西洋を横断し、活気に満ちた大都市であるモントリオールで開催されるF1世界選手権第9戦カナダGPに臨む。サーキットのすぐそばには素敵なレストランやおしゃれなブティックがひしめく、にぎやかなダウンタウンがあり、娯楽には事欠かないという点でも、カナダGPはF1チームから人気を集めるグランプリだ。
2週連続の1戦目となるカナダGPは、2006年シーズンの中間点にあたるレースでもある。ここ数日、SAF1チームはファクトリーがあるイギリスのリーフィールドからモントリオールのミラベル国際空港まで3日間をかけて運ばれる荷物の準備に追われていた。シャシー、エンジン、機材など、その荷物の総量はおよそ20トン、パレット6個分にあたるものだ。
先週、SAF1チームのドライバーである佐藤琢磨はチームのニューマシンとなるSA06に関する打ち合わせのためにリーフィールドを訪れていた。一方、フランク・モンタニーはフランスのル・マン24時間レースに参戦し、見事2位表彰台を獲得した。
佐藤琢磨
「再びヨーロッパを離れる今回の2戦は、同じ遠征の2連戦といってもシーズン序盤のバーレーンとマレーシアのような高温多湿の国とは気候が異なる。天気もコースもカナダの方がずっと体力的に楽なので、特別なトレーニングを行う必要はないが、時差に身体を慣らして体調を整えるために少し早いカナダ入りを予定している。ジル・ビルヌーブ・サーキットはロングストレート直後のブレーキングは厳しいが、ほとんどのコーナーが低速であり、ブレーキングの安定性と良いトラクションが欠かせない。また、冬季から夏季への劇的な天候の違いにより、路面がかなりバンピーになる。SA05で良いメカニカルグリップを得られることを願っている」
フランク・モンタニー
「シルバーストンでは2台揃ってのフィニッシュという良い結果を出すことができた。クルマのスピードはまだまだだが、走行周回数も伸びていて、より多くのデータを集積することができている。これはとてもポジティブなことだ。モントリオールを訪れるのは楽しみだし、カナダGPにも期待している。このサーキットのレイアウトは他のサーキットとは全く異なっているが、ぼくたちにとってはより良いパフォーマンスを見せることができるサーキットだと思う。とても厳しく、そして困難なレースが再び待ち受けていることはわかっているが、良いレースになることを期待している」
鈴木亜久里 チーム代表
「シルバーストンでは再び2台揃っての完走を果たすことができてよかった。確かに土曜日のフリー走行で2台がコースアウトした時は少し心配したが、メカニックたちの必死の取り組みのおかげで予選までにTカーを準備することができたし、レースで琢磨のマシンを完走させることができた。この勢いを継続させていきたいと思っているし、モントリオールでも2台が揃ってフィニッシュラインを越え、チェッカーフラッグを受けることを楽しみにしている」