パナソニック・トヨタ・レーシングは、6月13日(火)から15日(木)までの3日間、イタリア・モンツァ・サーキットで行われたF1合同テストに参加した。初日となった13日(火)はリカルド・ゾンタとオリビエ・パニスがテストを行い、14日(水)と15日(木)は、ラルフ・シューマッハーとヤルノ・トゥルーリ、2人のレースドライバーがテストを続行し、主に、次週に迫ったカナダGPとアメリカGPの北米2連戦を照準としたテストを行った。
カナダGPの行われるモントリオールのコースは、ブレーキに関して非常に厳しく、また、比較的低いダウンフォースを要求するため、モンツァは代表的なテスト場所となっている。また、チームは8月に再び同コースでイタリアGPへ向けたセットアップ作業のためテストを行う予定である。
ラルフ・シューマッハー
「エンジンの電子系トラブルのためにやや時間を失ったが、多くの成果を挙げた。大西洋を渡って北米で行われる2連戦を目前に控えたテストで、タイヤとサスペンションのテストに加え、予定されていた異なるリアウィングを試した。セットアップ作業の大部分は成功裏に終わり、北米2連戦で良いレースが戦えることを期待している」
ヤルノ・トゥルーリ
「通常よりも低いダウンフォースでの走行に専念し、また、ハードブレーキングでのより高い安定性を確認するなど、典型的なカナダGPへ向けたテストを行った。また、いつも通り、大規模なタイヤテストも実行した。確実なタイヤ選択が出来るところまで持ち込めたという確信がある」
リカルド・ゾンタ
「今回のテストにおける主な項目は、カナダGPへ向けたタイヤテストとセットアップ評価であった。若干のサスペンション修正を試し、続く2日間に2人のレースドライバーがテストを行う前に、それを実証するのが目的であり、有意義な進化を確認出来た」
オリビエ・パニス
「カナダGPへ向けたブリヂストンのタイヤ評価に取り組んだが、それが私のテストプログラムの中で最も重要な項目であった。序盤は振動に苦しみ、やや作業が遅れたものの、最終的には納得行くだけの周回をこなすと共に、十分な進歩を遂げることが出来た。カナダGPでは、タイヤ選択は柔らかいものを選ぶ傾向があるが、それは、ブレーキングの大部分が直線で行われ、横方向への影響は大きくないためだ。低速コーナーからの立ち上がりにおけるトラクションもまた非常に重要であり、カナダGPへ向けたテストでは、その殆どがブレーキング中および低速コーナーからの加速において、タイヤから最大限の能力を引き出すべく、サスペンションをセットアップすることに専念する」
ゲルト・プファイファー
チーフ・テスト・エンジニア
「カナダGPの行われるモントリオールでは、ハードブレーキングでの安定性と、同様に良いトラクションが重要となる。このため、ブレーキに関する作業と、異なるキャンバーなどの設定下でサスペンションに関する実験を行った。全体的にテストは順調に進んだが、ラルフ・シューマッハーにエンジンのミスファイアが起き、若干時間をロスした。それは新しく組み立てられたクルマだったが、その日の終わりには問題解決し、進化を遂げることが出来た。また、カナダGPとアメリカGPへ向けた全てのタイヤプログラムに専念した」