GP2シルバーストン戦で今季4度目の優勝を果たしたルイス・ハミルトンは、来季マクラーレンからF1デビューするのではとウワサされているが、彼をカート時代から支援してきたロン・デニスは、近々彼にF1テストの機会を与える予定はないと語り、今は彼はGP2に集中すべきだと述べた。
土曜日のシルバーストンでの優勝で、ハミルトンが来季、フェルナンド・アロンソとラインナップを組むのではという憶測に拍車がかかった。デニスはこれまでしばしば、可能性としてはあり、来季はどこかのチームからF1デビューを果たすだろうと言ってきた。しかし、彼はシルバーストンで、ハミルトンが近いうちにF1マシンに乗ることになるのではというウワサを否定した。
「ルイスの話が盛り上がってるね」とデニス。
「大事なことは、彼を、そして彼の父親を浮き足立たせないことであり、いまの仕事に集中させることだ」
デニスは、近々ハミルトンをF1に乗せる計画は全くなく、いまはGP2に集中させたいと明言した。
「彼は、この後、シーズンの中休みに入る。次のレースはマニ−クールなので1カ月ほどある。その間にはGP2のテストがあるし、また、今年の終わりのテスト準備として、彼には我々のシミュレーターを使って数マイル、ドライブさせる。彼の予定としては、いまのところそんな感じだ」
「テスト契約をせずに働かせたいとは思っていない。いま、ドライバーの評価テストに時間を使いたくない。それはシーズン途中にすることではない。現在主眼となっているマシン開発にとって生産的ではない」
デニスは1993年のマイケル・アンドレッティ以来、ルーキーを起用したことがない。ルーキードライバーはF1デビューの年からトップチームで活躍できないと考えているためだ。
「彼がどこでレースを行うことになるにせよ――F1に行く可能性は十分あり、私たちもサポートしたいと思っているが――これまで、F1にやって来て、いきなりチャンピオン争いをしたドライバーはいないという事実を受け入れなければならない。F1に慣れるには、1〜3年、場合によってはそれ以上かかるだろう」
「私たちがいまやるべきことは、彼のF1デビューに向けて準備をすることだ。私たちはその準備をしていく。これまで11年、彼のために行ってきたプランが正しかったことを証明するために、それが一番いい方法だ。もちろん、ルイスにはとても興味がある。彼がここまで来られたのは、彼の努力と献身のおかげだ。それは認める」
「しかし、チャンスやサポートは必要だし、キャリアを前進させるためには指導もいる。2、3年後、彼がF1デビューを果たしたときに、他のどの若手ドライバーよりもコンペティティブとなるよう彼を全力でサポートしてきたと思えるだろう。いまの段階で、彼の今後がどうなって、どのチームに所属することになるのか予想するのは時期尚早だ」
「どんなカテゴリーから上がってきても、F1マシンに乗り込み、速いタイムを刻み、多くのラップを周回するための体力をつけるというのは、なかなか大変なことだ。F1でのレース経験のすべてが大事になるんだ。そう簡単なことではない」