スーパーアグリF1チームから今季開幕4戦に出場、しかし、FIAからスーパーライセンスを取り消されフランク・モンタニーにレギュラーシートを譲っていた井出有治が、イギリスGPに姿をみせ、記者たちに今の心境、そして今後について力強く語った。
「サンマリノの後ああいうこと(出場辞退勧告、スーパーライセンス取り消し)があって、ガッカリはしたけれども、FIAの方からああいう形で出たんでそこは受け止めて、またF1に復帰するために頑張ろうと、今一生懸命いろいろ考えています。とにかくクサってはいないので、温かく見守ってくださいとしか言えないですけど」と現在の心境について語った井出。
スーパーライセンスを失い、今年はF1に出ることができなくなってしまった井出だが、井出自身はF1への挑戦をあきらめないつもりのようだ。「やっぱり一番はF1にまた復帰したいというのがあるので、それに対して、今年残りシーズンの中で、GP2なのか、どのカテゴリーなのかは分からないけれど、レーシングカーに乗って、レースに出たい」「GP2なんかでも、チームの条件とか聞いたりしてますけど、まだ具体的な話になるところまではいってないですし、そのへんが早く決められるといいなと思ってますね」と、F1とともにヨーロッパを転戦するGP2への参戦も示唆した。
「フォーミュラ・ニッポンでも走るチャンスがあれば走りたいし、フォーミュラ・ニッポンだってレベルは高いし、勉強できる部分はたくさんあると思うし」
「やっぱり、グランプリをやるサーキットはすごく貴重な体験になると思いますし、そういう意味で、GP2に乗れればいいんじゃないかなと思います」
決して恵まれた体制とは言えない中で、苦闘しながらもF1への挑戦を始めた井出。それに対するFIAの裁定は、日本国内でも「厳しすぎる」という意見が相次いだ。その事について、本人はどう思っているのだろうか?
「十分なパフォーマンスを発揮できていないという状況だったのは確かにあったけれども、急だったんでびっくりしましたね。あれ(開幕4戦の結果)は自分の実力ではないし、そういう部分でも取り返したいという気持ちはあるので、またF1でレースできるように頑張りたいです。諦めないで」
今後井出は、英語の勉強やトレーニングなど、F1復帰に向けて積極的に動いていくという。また、F1が開催されているサーキットにも足を運びたいとのことだ。「モンタニーにはすごく速いし経験もあるけれど、決して負けるとは思わないです」と力強く語った井出。
「とりあえず、本当に早くレースをしないと」とレーシングドライバーとして、F1ドライバーとして再始動した井出の今後の動向に注目しよう。