フェラーリのゼネラルマネージャー、ジャン・トッドは、シルバーストンでのイギリスGPはフェルナンド・アロンソとルノーの圧倒的な速さに破れ、ミハエル・シューマッハーにとって勝算の見込みのないレースだったと語った。
キミ・ライコネンの背後に捕まった状態で周回を費やしてしまいシューマッハーの真のポテンシャルが発揮できなかったとはいえ、トッドは、公平なファイトになっていたとしてもルノーに勝つのは難しかっただろうと話す。
「10分の2秒や3秒は大差ではないが」と語るトッド。
「だがそれが60回重なれば12〜18秒にもなる。そして明らかに昨日の予選での彼らは速かったし、レースでは、序盤の段階ではミハエルの方がライコネンに捕まりさえしなければ恐らく速かったかもしれないが、結果的に出遅れた」
「そしてその後は、4周でアロンソはなんとミハエルを8秒も離してしまい、これが結果を決めた。またフィジケラもピットストップでフェリペをパスした。でも2度目のピットストップでミハエルがキミをパスできるようにした点は良かった」
トッドは、アロンソの安定した走りの前に、フェラーリのチャンピオンシップへのチャレンジが一層難しくなっていると認めている。
「(8戦を終えて)80ポイントのうちの74ポイントを彼が得点している。すごいことだ。速くて、競争力があり、そして信頼性もあるため、他のドライバーにとっては状況はますます困難になっている。ミハエルは51ポイントだから、全てはあとの10レースがどう展開するかにかかっている」
先のバルセロナテストでのシューマッハーの速さが、束の間のものに過ぎなかったと語るトッド。
「私の記憶が正しければ、アロンソはいなかったからね。それに、テストトラックはひとつひとつみな条件が異なっている。あるタイヤがあるサーキットで良くても、他のサーキットでもいいとは限らない。我々には競争力があるが、ミハエルとフェリペが2位と5位以上でフィニッシュするには力が及ばなかった」
また、今回の低迷はフェラーリが主要なシルバーストンテストに出なかったためではないか、という問いには判断がつかないという。
「それはうかがい知れないことだろう」とほほえむトッド。
「シルバーストンでテストをした多くのチームより我々は上位でフィニッシュしたわけだから、ただ単に、ひとつのチームが我々より速かったために勝てなかっただけだと思うがね」