ジャック・ビルヌーブは、金曜日のシルバーストンでのFIA公式ドライバーズ・ブリーフィングに続いて行われるGPDAミーティングにおいて、ミハエル・シューマッハーの説明を待つ多くのドライバーのうちの1人である。
だが、ビルヌーブは、7度のチャンピオンに輝くシューマッハーからは大したコメントは得られないだろうと予想している。シューマッハーは1997年に、タイトル争いをしていたヘレスで、当時ウイリアムズのビルヌーブに追突した悪名高い過去がある。
「僕は他のドライバーとはほとんど会っていない。だから皆、GPDAミーティングで内輪だけの話をするチャンスを待っていると思うよ」とBMWザウバーのドライバーであるビルヌーブはそう語る。
「でも僕はその場でどんな説明がされるのかはわからない。『いやぁ失敗しちゃったよ、ゴメンね。バカな事をやっちゃったよ』せいぜいそのくらいじゃないかな」
またビルヌーブは、2週間前のモナコでの予選で彼が見たシューマッハーの行動をいまだに信じられないと語っている。
「僕はいまだに驚いているよ。信じられない」とビルヌーブは驚きを隠さない。
「でも僕らはそれぞれ戦い方について異なる哲学を持っているんだ。だから皆が考えているのとは同じように誰もが反応するとは限らないということだ。誰かが何かをしたのを目にした時、こうすればよかったのになんて言っても仕方が無いことはよくあること。実際には、自分だったら絶対にやらないってことを他の人ならやるってことはありえるのさ。それも人の生き方だよ」
「そのミーティングで何が起こるのかは僕にはまったくわからない。でももっともらしい説明がされるとは想像できないね。ただ、人生の中では時々、歯を食いしばって耐えることや、自分がバカだったと反省して認めることも必要だと思うよ」
「誰でも緊急な状況においてはミスを犯すものだ。でもその後は『ゴメンねみんな、僕が本当に悪かった。迷惑をかけちゃったけど、みんな無事でよかったよ』って言う事は本当に大切なことだ。自分が本当にわざとしたのではないと他の人に信じさせようとするのであれば、そんな行動は馬鹿げたことにしか見えないよ。だから僕はそういう説明じみたものが出るとはまったく想像できないんだ」
ビルヌーブはまた、多くのドライバーはもうシューマッハーが、GPDAを代表するのにふさわしい人物であると考えていないと示唆している。
「僕が言えるのは個人的な意見だけ。でも個人的にはそういう人物がGPDAを運営していくことは相応しくないと思う」とビルヌーブは主張する。
「でもそれは単に僕の意見だ。そのことについて他のドライバーと話したことは無い。これからも他のドライバーの間で起こる論争は、ずっと水面下で行われるだろうね」