F1イギリスGPの金曜フリー走行で、スーパーアグリSA05・ホンダを駆って昨年の日本GP以来のF1ドライブを果たした山本左近、そしてその走りを見守った鈴木亜久里チーム代表が、初日の感想を語った。
山本左近
「こうやってF1をドライブできて嬉しいですね。昨日までバタバタしましたが、今日は自分の仕事に専念できました。ここシルバーストンは高速コーナーが多いので走っていて楽しかった。初めて走らせるクルマなので、午前中まずはシートポジションを決めて、午後はクルマがどう動くか、トラクション・コントールなどを試してみました。シートは動いたりどっかに当って痛いとかはなかった。乗る前に亜久里さんから『乗ったことないクルマだからステップ・バイ・ステップで着実にこなして欲しい』と言われました。昨年、鈴鹿でジョーダンにサードドライバーとして乗った時は“お試し”というか、トライというかテストみたいなものでしたが、今回は3レース、チームに帯同してサードドライバーとして走るわけですから、今日のキャリアをF1のスタートの第一歩にして、これから進歩して行きたい。ジョーダンと較べてエンジンがV10からV8になってパワーないかな? と思ったけど、思ったよりパワーあって、F1なんだな……という実感がありました。体力的にはいつでもF1に乗れるようにトレーニングしてたんで大丈夫でした」
鈴木亜久里チーム代表
「本来ならヨーロッパ・グランプリから3台走らせる計画があってそれが遅れてたんですよ。今回から左近を使ったんだけれども、いい仕事をしてくれたと思う。初めてのクルマで、操作系のスイッチとかに慣れさせるために本来ならテスト走行してからここに来たかったんだけど、ブッツケ本番になった。それでもミスもなかったし、1回スピンしたかな? でも、コンスタントにキチッと走ったよね。もっとスピンするかと思った。タイムを追いかける走りするかと思ったんだけど、冷静に走ってた。それはよかったかな。左近はここ1〜2年で伸びたよね。自信持って走ってる。変ったよね。ドライバーはどっかで自信持って大きく成長する時があるんだけど、もっともっと成長して欲しい。走る前は『クルマに慣れるのをキチッとやれ。タイムがどうのこうのじゃない』と言ったんだけどね。走り終わった後『どうだった?』って訊いたら『クルマには慣れました。でも乗るの難しいですね』と言ってたね。乗りやすければもっと(他の二人と)タイムが接近すると思う。そうしないと比較にならないからね。でも、2時間走ったからといって次のカナダは難しいと思うよ。バンピーだし」
(Hirao Nishiyama)