一部のドライバーが、シルバーストンは高速コーナーでランオフエリアが狭い箇所があるため危険だと指摘しているが、ジャック・ビルヌーブはこれを否定した。
「そんなことを言うんなら、F1をやめてしまうべきだ」とビルヌーブは言う。
「この間モナコでレースをしたが、誰も文句を言わなかった。あそこのコースは素晴らしかった。いくらかリスクはあるが、ほんのわずかだ。昔はシーズンを通して100のコーナーがあり、リスクが高いコーナーは50あった。今は1年で(リスクがあるのは)3つくらいだ。いいじゃないか。たいしたことじゃない。全開でいかなきゃいいんだ」
ビルヌーブが高速コーナーが好きなことは有名で、昔、スパで限界に挑戦し、オー・ルージュで何度か大きなクラッシュを演じている。その彼は、シルバーストンのチャレンジは楽しいと語る。
「人間としての限界を超えなきゃならないコーナーがいくつかある。コーナーに来ると、アクセルを戻したくなるが、我慢して全開のままいかなきゃならない。レースカーをドライブしていて、一番爽快な瞬間だよ。ニュータイヤで燃料をあまり積まずにコプスを走ると、すごくエキサイティングなんだ」
「昔のオー・ルージュに少し似ている。全開でいくべきだと分かっていても、実際にはなかなか難しい。毎ラップ、“次のラップは全開で行こう”と思っても、ちょっとアクセルを戻してしまう。そういうところがすごくエキサイティングだ」
「僕もまだ全開でいったことはない。(テストでは)やってみたことはあるけど、コースアウトしてしまった。クラッシュはしなかったけどね。でも今週末は全開でいくよ。全開でいってみた人間もいると思う。僕が言う“全開”というのは、左足でブレーキを踏まないということだ。ブレーキングしちゃったら全開とは言わない」
全開で走っても、コースアウトをすることはないだろうとビルヌーブは考えている。
「今のマシンはトラクションコントロールや何かがあるから、大丈夫だ。コースアウトする可能性は低い。可能性はあるにはあるが、昔に比べるとかなり低いだろう」