ルノーのジャンカルロ・フィジケラは、モナコのストリートコースをシングルシーターで走ることにかけては、エキスパートであると評価されている。彼は、前戦スペインGPでの3位を弾みにして、今週末のモナコで優勝を狙いたいと考えている。
フィジケラはマレーシアで優勝し、今シーズンをいい形でスタートしたが、その後、さまざまなチームのトラブルに見舞われ、不振に陥った。しかし2週間前のスペインで、ようやく最前列スタートから表彰台フィニッシュという成績を収めることができた彼は、得意のコースのひとつであるモナコに臨むにあたり、上り調子を維持できると楽観している。
「あそこは僕にとっていつも素晴らしいサーキットで、いつでも速く走れる」とフィジケラ。
「とても難しいサーキットだけど常に楽しめるし、もっと重要なことは、あそこでドライブしていてとても快適だということだ。レースは肉体的にも精神的にもとても厳しいものになると思うけど、心から楽しみにしているよ」
「R26は間違いなくあそこで速いと思う。この前のバルセロナは、僕にとっていいレースだった。しばらく困難な時期が続いたけれど、トラブルなしの週末を過ごした末に表彰台に上れて嬉しかった。現時点で、とても厳しい戦いになるということは分かっているし、今週末はタイヤに大きく左右されるだろう。でも、テストチームが、先週ポール・リカールで、正しい選択をするために頑張ってくれたから、僕らは楽観視していいと思う。モナコでとてもいい週末を過ごせると、かなりの自信を持っているよ」
モナコはマシンに、非常に特殊な問題を投げかけてくる。ベストパフォーマンスを引き出すためには、ライドハイトを上げ、サスペンションは柔らかくして、高いダウンフォースが必要になる。去年ルノーは不本意な成績しか収められなかったが、フィジケラは、最新型のルノーが、モナコの厳しいコースに対処できるだけのものを備えていると確信している。
「すべてを快適に感じる必要があるんだが、R26は本当に運転しやすいクルマだ。限界ギリギリでも信頼することができる」とフィジケラは明かした。
「週末にスピードを上げていくにつれて、どんどん縁石やバリアに近づけるようになっていく。特に予選のために全開でプッシュするときにはね。自分が望むように反応してくれるマシンが必要だけど、ルノーはそういうマシンだと思う」
セパンやバーレーンのような広々としたサーキットを走った後だと、そしてそれに比べると少し狭いバルセロナの後でさえも、モナコには“カルチャーショック”を感じるだろう。最も熟練したF1ドライバーでさえそうだ。しかしフィジケラは、今週末、上位で走るために、できるだけ早く見方を調節する必要があると承知している。
「本当に普通じゃないんだ!」と彼は認めた。
「初日の感覚は、普通のサーキットで週末に走り始めるときとは全然違っている。最初に2、3周してみた時点では、“このコースで限界のドライブをするのは無理だ”と思うんだ。でもその後、10周か15周すると、自信がついてきて、もっと快適になり、ブレーキを遅らせ始め、限界を見つけるんだよ」