ホンダのチーフエンジニア、マーク・エリスは、先週イタリアのバレルンガで行ったテストでは多くの収穫があったと語った。
ホンダは先週火曜日にテストを開始し、テストドライバーのアンソニー・デイビッドソンとジェームズ・ロシターが走行を行った。テストは、今週末のオーストラリアGPと、およそ1カ月後にスタートするヨーロッパラウンドに向けた準備作業を中心に行われた。
チームは、広範囲に及ぶミシュランのタイヤプログラムやブレーキ比較、シャシーのセットアップを行うと共に、最新スペックのホンダエンジンのテストも実施した。不安定な天候によってドライでの走行はかなり限られたものの、初日には240周、2日目には100周、ロシターに代わってレースドライバーのルーベンス・バリチェロがステアリングを握った3日目には130周と、多くの周回数を重ねている。
「不安定な天候ながら、収穫の多いテストだった」とエリス。
「開幕2戦を終えて優先すべきと判断した分野に集中的に取り組んだ。バレルンガ・サーキットは、そういったテストを行う上で条件が整っていたように思う」
「電気系システムの広範囲なプログラムは、天候の影響なく、進めることができた。またドライおよびウエットコンディションで、コントロールシステム、シャシーセットアップともに作業が着々と進行した。予定していたタイヤテストは、ドライコンディションでの走行が十分ではなかったために、全て完了することができなかった。しかし、ここバレルンガで大変に見通しの明るい結果が得られたことで、ヨーロッパラウンドに入る前のテストも順調に進められるだろう」
一方、3日間のテストに参加したサードドライバーのアンソニー・デイビッドソンも、理想的な天候とはいえない中でも、満足いく結果が出せたと考えている。彼は今回のテストで300周近くを走りこみ、1分15秒775の最速タイムを記録している。
「バレルンガという新たなサーキットで走行できて楽しかったよ。天候には恵まれなかったけどね」とデイビッドソン。
「一番良かったのは140周も走ることができた初日だ。3日間の中でコントロールシステムの開発を進め、上向きな結果が得られたよ。全般的なマシンのセットアップにも取り組んだし、さらにはエンジン1基での走りこみもできた。今はメルボルンでの金曜のフリー走行を楽しみにしている」