BMWのボス、マリオ・タイセンは、各チームとも新しいV8エンジンを開発するのに、もっと長い時間が必要だったとして、F1の統括団体FIAを暗に批判した。
V10エンジンは昨シーズン限りで過去のものとなり、トロ・ロッソを除く全チームがV8エンジンを使用するようになった。トロ・ロッソのみが、制限付きのV10を使用している。
しかし、マレーシアGPでは多くのエンジンブローが見られ、BMWザウバーのニック・ハイドフェルドも、5位を目前にして終盤にリタイアすることになった。
苦汁をなめたチームはBMWだけではない。ウイリアムズも、コスワースエンジンがブローして2台ともリタイアした。フェラーリもレース前に問題があって、フェリペ・マッサとミハエル・シューマッハー、そしてレッドブル・フェラーリRB2をドライブするデイビッド・クルサードが影響を受けることになった。
「(今季)これまでに、各チームがエンジン交換をこれほど行っているということは、新V8エンジンの開発に与えられた期間が、単純に短すぎたという証拠だ」とタイセンは語り、FIAを暗に批判した。
「私たちは今、全力で信頼性の確立に努めているところだ」
V8が次に試されるのは今週末のオーストラリアGPとなるが、タイセンによれば、アルバート・パークは、セパンやバーレーンよりは、エンジンに負担はかからないだろうということだ。この2戦ほど、気温と湿度が高くはないからだ。
「エンジンにかかる負担に関する限り、アルバート・パークのコース特性と予想される天候からして、かなり楽なコンディションになるはずだ」とタイセンは述べた。
「バーレーンとマレーシアでは猛烈な暑さに見舞われたが、今回は、エンジンについて特別な準備を要するような、極端な状況に直面することはないだろう」
「基本的なスピードに関しては、私たちはほぼ望んだ通りのところまで来ている。メルボルンの週末には、マレーシアで見せた素晴らしいレースペースを再現して、それをさらによくしていきたい。オーストラリアGPは、2006年最初の遠征ラウンドの締めくくりとなる。その後は、今年最初の長い休みを挟み、4月23日にイモラでヨーロッパラウンドがスタートする」