ジャンカルロ・フィジケラのポールポジションとなったマレーシアGP予選だが、エンジン交換によるグリッド降格処置を受けるマシンが複数存在することから、現場でも(つまりFIAも)正確なポジションを発表できないという混乱に陥っている。
まず、エンジン交換により10グリッドダウンするのは、デイビッド・クルサード、ルーベンス・バリチェロ、ミハエル・シューマッハーの3人。フェリペ・マッサは2回のエンジン交換を行ったことから20グリッドダウンだ。また、ラルフ・シューマッハーは予選中にエンジントラブルが発生しコース上にストップ。このため予選順位は10番手ながら、予選後にエンジン交換を行うために最後尾スタートなる。
順当に考えればラルフは22番手。その前の21番手には、予選16位+20グリッドダウンのマッサ、予選11、12番手に並んでいるクルサードとバリチェロが、19、20番手になるものと予想される。
難しいのはシューマッハーのポジションだ。予選4番手から“普通に”考えれば、14番手にまでドロップとなる。これはジャック・ビルヌーブの後ろとなり、本来10、11、12番手にいたラルフ、クルサード、バリチェロの3人がポジションを落としているために3つ繰り上がって11番グリッド。実際、予選後に発表されたフェラーリのプレスリリースには「6列目(11、12番手グリッド)からのスタートとなる」と記載されているという。
だが、4番手から10グリッドダウンするのだから、14番手になるべきという説も有力であり、この場合シューマッハーはビタントニオ・リウッツィの後ろからのスタートとなる。
さらに、予選終了後にエンジン交換することになったラルフに対する処置を、シューマッハーが14番手まで降格した後に適用するとなれば、シューマッハーは13番手グリッドとなるという説もある。
いずれにせよ、FIAのプレスオフィサーも「今日中に正式なポジションを発表できるかどうか分からない」とお手上げの様子。予選を盛り上げるために導入された複雑な予選システムが、思わぬ混乱をまねている。