ジャック・ビルヌーブが開幕戦で周囲を落胆させる結果しか出せなかったことが理由で、早くも彼と新しい雇い主との関係が悪化しているようだというウワサが流れているが、ビルヌーブはこれを否定した。
2回の予選を総合してグリッド順を決めるという新予選システムのもと、ビルヌーブは悪天候が幸いしてセカンドロウを獲得した。しかし、スタートで出遅れ、その後も順位を下げ、結局13位でフィニッシュ。一方、20番グリッドの僚友フェリペ・マッサは、1ストップ作戦でビルヌーブより燃料を多く積んでスタートしたが、ビルヌーブよりも3つ上のポジションを獲得している。
チームボスのペーター・ザウバーによれば、エンジニアたちはビルヌーブのマシンがマッサのマシンより遅かった理由を分析中とのことだが、ビルヌーブが過日に車が遅すぎたと発言したため、彼とチームの関係はあまり良好でないと報道されるはめになった。だがビルヌーブは、そうした記事を読む際には慎重になってほしいと述べている。
「今週のウェブサイトや新聞の記事についてはコメントしたくない。発言を文字通り受け取らない方がいいこともある。文字通り受け取った報道記事に答えるのは危険なことだ」
「僕は問題を起こしたくない。ただチームとの仕事に集中したいだけだ。今、色々なところに掲載されている記事にあるようなことを本当に言ったとすれば、みんなは腹を立てるだけさ。それは今の僕の目的に反する」
開幕戦については、レース前の準備が理想的でなかったと述べた。
「テストをしていなかったので、タイヤがどのような反応を示すのかわからなかった。レース中にリヤタイヤがかなり磨り減ると予想していたので、セットアップはかなりのアンダーステアにした。したがって、フロントのグリップはわずかしかなかった。加えて、ファーストラップはタイヤが温まっておらず、氷の上を走っているかのようだった。マシンの体勢をまっすぐに保ち続けなければならなかった。良くなり出したのは半周ほどしてからだった」
「スタートで順位を下げても、あまり大したことはなかった。実際、マシンはあまり速くなかったからね。それよりレースの後半が問題だった。最初のピットストップまで、僕もフェリペも同じ重さの燃料を載せて、ラップタイムも似たようなものだった。しかし、ピットに入るごとにだんだん悪くなっていった。僕はソフトタイヤ、フェリペはハードタイヤを履いた。ただ、2つのタイヤを比較したかったからだ。今となっては、バカなことをしたものだと考えているが、しかし、自分のレースについては不満の残る結果となった」