トヨタのテクニカル・ディレクターのマイク・ガスコインは、新レギュレーションによって規制されるダウンフォースの回復のため、スペインにてお披露目された新車の大きな変更点は“空力”にあると語った。
今シーズンより新たに導入される空力規制よってマシンが生み出すダウンフォースは20%以上カットされるが、「TF105」はこの新レギュレーションに適合して製作された。「シャシーに関わる最も大きな変更点は、空力といえる」とガスコイン。「特にフロントウイング、リヤウイング、そしてディフューザーが大きく変わっており、この新たな制限に挑戦するために、昨年は風洞での作業に精力を傾け作業に集中してきた。TF105が、我々の仕事の成果を発揮することを望んでいる。新技術規則により、当初25%のダウンフォースを失うことになったが、開幕戦オーストラリアGP、そして今シーズンを通して、ダウンフォースの回復へと努力を続ける」
チーフ・デザイナーのグスタフ・ブルナーは、「メカニズム的には、進化型である。TF105は、104Bからごく自然に進化を遂げた。しかし、大きな違いが見られるのは細部であり、メカニカルな部分で非常に手の込んだ改良を加えている」と語る。さらに1レース1セットの新しいタイヤ規制へ向けても、昨シーズン中盤からタイヤ寿命の最適化を図るべくシャシーとサスペンションの開発を行ってきたという。
また、1基のエンジンで2レースを戦うという新規則の下、エンジン部門は、さらなる挑戦を課せられることとなる。2004年シーズンにすでに「RVX−04」エンジンの寿命は、400Kmから800Kmへと延ばされてはいたが、エンジン部門のテクニカル・ディレクターのルカ・マルモニーニと、彼のエンジニアチームは、2005年シーズンへ向けて、再び、信頼性を2倍にすることを強いられた。その成果として、新しく作られた「RVX−05」エンジンは、約1500Kmの寿命を達成し、2レースを戦い抜ける様にデザインされている。