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【F1チーム代表の現場事情:メルセデス】アントネッリ・フィーバーへの懸念。新星を狂乱から守り、育てたいウォルフの親心
2026年5月13日
大きな責任を担うF1チーム首脳陣は、さまざまな問題に対処しながら毎レースウイークエンドを過ごしている。チームボスひとりひとりのコメントや行動から、直面している問題や彼のキャラクターを知ることができる。今回は、メルセデスのチーム代表トト・ウォルフに焦点を当てた。
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メルセデスのチーム代表トト・ウォルフは、アンドレア・キミ・アントネッリがとてつもないスターになる素質を持っていることを、前々から知っていた。今、彼にとって最大の仕事は、選手権首位を走るこの若者を地に足のついた状態に保つことにある。特に故郷イタリアで、この10代のスターに対する熱狂が高まっているからだ。
アントネッリはマイアミで優勝し、3連勝を挙げた。その結果、メルセデスのチームメイトであるジョージ・ラッセルに対する選手権リードは20ポイントに拡大した。彼を今すぐタイトル最有力候補と断言するのは時期尚早かもしれない。だが、イタリアの人々に今そんなことを言っても、耳を貸す者はいないだろう。

■イタリア全土を席巻する“アントネッリ・フィーバー”
アントネッリの台頭によって、イタリア国内のF1テレビ視聴者数は今年急増している。アントネッリ・フィーバーは、モータースポーツを愛するイタリア全土を席巻しつつあるようだ。その激しさは、フェラーリへの宗教的狂信とも言えるほどの熱狂ぶりからも、想像できるだろう。
現在イタリアF1界の希望の象徴となっている人物が、メルセデス・ベンツをドライブしているというのは皮肉でもある。現在のイタリアのスポーツ界は今、大きな転換期を迎えている。サッカーのイタリア代表はワールドカップ出場を逃し続けており(2018年、2022年に続き今回も予選敗退)、フェラーリF1チームも長年にわたり失望を繰り返してきた。その空白の中で、ウィンブルドンおよび全豪オープン王者であるテニススター、ヤニック・シナーが、新たな国民的ヒーローの一人として台頭してきた。
この2人の若きイタリア人スターには面白い偶然の一致がある。アントネッリが中国GPでキャリア初優勝を飾った時、シナーはインディアンウェルズ・マスターズを制した。その数週間後、アントネッリは日本GPで優勝し、シナーはマイアミ・オープンを制覇。さらに極めつけとして、シナーがマドリード・オープン決勝でアレクサンダー・ズベレフを破った際に、アントネッリはマイアミで3連勝を達成したのである。

■「シナーとアントネッリ」――熱狂を抑えたいウォルフ
マイアミGP後、ウォルフ代表は、イタリアで高まり続ける注目から、この“神童”を守る必要があると語った。
「彼がチーム内で地に足をつけておくようにするのは、さほど難しくない。両親がしっかりと育ててくれているからだ」とウォルフは日曜午後のレース後に語った。
「問題はイタリア国民だ。サッカー代表がワールドカップに出られなくなった今、すべての関心がシナーとアントネッリに向いている。シナーはマドリードで優勝したし、今やふたりはスーパースターだ。その状況を我々はコントロールしなければならない。彼の時間を求める要望が山ほど来ている。それを抑えるのは我々の役目だ」
「とにかく冷静でいる必要がある。これほどの若さで、大きな成功を収めれば、イタリア全土が彼に注目する。アントネッリとシナー。我々は3回グランプリを勝ち、シナーは世界ランキング1位でグランドスラムを何度も制している」
ウォルフは、ハードロック・スタジアムの敷地内に設けられたメルセデスのホスピタリティテントでこの話をしていた。数週間前にシナーがマイアミで勝利を収めた場所でもある。
テント内にはアントネッリの家族もいた。ウォルフは、アントネッリの父マルコが自分の話に耳を傾けているのに気づいた。
「危険なのは、彼があまりにも早く持ち上げられてしまうことだ。だが、両親が地に足をつけさせてくれる、そうだろう、マルコ?」
そう問いかけられたマルコは、「その通りだ」と笑顔で答えた。
■“長い戦い”を見据えるメルセデス

ウォルフとメルセデス首脳陣は、アントネッリの人格形成における両親の功績を、以前から称えてきた。
マルコ・アントネッリの方を向いて、ウォルフはこう話し続けた。
「家族、そして我々――実際にはマルコが、最初に彼を落ち着かせる役目を果たしている。たとえ勝っている時であってもだ。我々はそのメッセージを繰り返し、伝え続けなければならない」

ラッセル逆転の可能性をすでに低く見ている関係者もいるが、ウォルフは、アントネッリのチームメイトは簡単には引き下がらない男であることを改めて強調した。
「これは長い戦いになる。彼のチームメイトは、非常に速い、極めて優れたドライバーだ」
「長期的視点で考えなければならない。彼には10年、15年かけて多くのチャンピオンシップを獲ってほしい。だからこそ、今この巨大な期待によってつまずくようなことは避けたいのだ」
アントネッリを地に足のついた状態に保つことは、簡単な仕事ではないだろう。現在の彼は、驚くほどの落ち着きと自信をもって走っているが、ルーキーシーズンには浮き沈みがあった。F1界随一の現実主義者であるウォルフは、アントネッリが苦しい週末を迎えた時に何が起こり得るかを、当然ながら警戒しているはずだ。
(Text : Nate Saunders)
関連ニュース
| 1位 | アンドレア・キミ・アントネッリ | 100 |
| 2位 | ジョージ・ラッセル | 80 |
| 3位 | シャルル・ルクレール | 59 |
| 4位 | ランド・ノリス | 51 |
| 5位 | ルイス・ハミルトン | 51 |
| 6位 | オスカー・ピアストリ | 43 |
| 7位 | マックス・フェルスタッペン | 26 |
| 8位 | オリバー・ベアマン | 17 |
| 9位 | ピエール・ガスリー | 16 |
| 10位 | リアム・ローソン | 10 |
| 1位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 180 |
| 2位 | スクーデリア・フェラーリHP | 110 |
| 3位 | マクラーレン・マスターカード・フォーミュラ1チーム | 94 |
| 4位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 30 |
| 5位 | BWTアルピーヌF1チーム | 23 |
| 6位 | TGRハースF1チーム | 18 |
| 7位 | ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム | 14 |
| 8位 | アトラシアン・ウイリアムズF1チーム | 5 |
| 9位 | アウディ・レボリュートF1チーム | 2 |
| 10位 | キャデラックF1チーム | 0 |


